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脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

その他科学

Eureka!

アルキメデスの「浮力の原理」の発見の逸話ですが、 シラクサの王様から純金で金細工師につくらせたはずの王冠に不純物が混ざっていないかどうかを検証するよう命ぜられたアルキメデスが、 風呂に入ってお湯が流れ出るのを見て検証方法をひらめいたことにな…

創造的アイデアはいつ生まれるか?

標記の内容について、 マレイ・ゲル=マンの著書『クオークとジャガー』から 引用をします。 素粒子論の分野で顕著な業績を残したゲル=マンは、 創造性について、下記のようなことを言っています。 「第一に、私達は解決の得られない問題について、何日も、何…

最新の問題を解く

確率論の分野における業績で有名な伊藤清先生(故人)の エッセイに次のような話がありました。 伊藤先生が海外の大学で教鞭をとっていたときのこと、 授業で宿題を出すと、他の学生は授業の最新回で紹介した定理を 使って証明をしていたのですが、 ある学生…

Journal of Negative Results、存在しました!

以前のエントリーで、ネガティブな結果を報告するための論文誌、 "Journal of Negative Results"があれば、研究者が無駄な研究をしないで済むための 有益な情報源になるのでは、というお話しをしました。 ネガティブ・リザルト用のジャーナルがあれば・・・(…

記事紹介:肩こりをほぐすには

というわけで立て続けに、2つめの記事を紹介します。 最近、肩がこって困っているのですが、 どうもノートパソコンの使用も肩こりには良くないようですね。 たしかに肩が縮こまっている感じがします。 下記記事の中で紹介されている「肩タッチ」をしたら、 …

血圧測定におけるリアルタイム計測の意義

昨日は完全に更新を忘れていました。。 ちょっと仕事が立て込んでいて、まったく気づきませんでした。 自分のブログなんですが… というわけで、今回は気になるニュースを紹介します。 本ブログにおとずれてくださる方の中には、 生体データのリアルタイム計…

バランスのよい食事をとりましょう

バランスのよい食事をとりたいと思いつつできない!という人は多いのではないでしょうか?かくいう私もそうです。昨日、今日と昼食はラーメンでした。しかもスープはしっかり飲み干してしまいました。塩分、脂分、糖分をこれでもかというくらいたっぷり摂っ…

イチキュッパ、ニイキュッパの謎(3)

日本風に言えばイチキュッパ、ニイキュッパですが、アメリカについては99セント現象と呼ぶことにしましょう。4ドルよりも、3ドル99セントの方が買い手の受けがいいというわけですね。しかし、今回はそれとは違う方向から99セント現象について考察するのが狙…

イチキュッパ、ニイキュッパの謎(2)

アメリカのファストフード店には、 「店員がレシートをお渡しにならなかった場合は、マネージャーに伝えてください。当該の商品をタダにいたします。」 という貼り紙がしてあるという。その訳は? というのが昨日のクエスチョンでした。 何故なのか、理由は…

イチキュッパ、ニイキュッパの謎(1)

1980円、2980円のようなイチキュッパ、ニイキュッパ、その他399円や498円といったいわゆる端数価格ですが、街やテレビやチラシなどでよく見かけますね。 冷静に(あるいは別に冷静にでなくても)考えると2000円、3000円、400円、500円とほぼ変わらない価格な…

迷信行動:続々々

ある種の政策(金融政策など)の効果に対する誤認についてのたとえ話を思いつきました。 風邪をひいたあとにすぐ風邪薬を飲んだとします。しかし、風邪の症状はどんどん悪化します。 このとき、風邪薬を飲んだ直後から、風邪の症状が悪化するために、風邪薬…

迷信行動:続々

タイトルは今回の内容とはほとんど関係ないのですが、昨日のつづきということで。(タイトルを書いていてふと、「続々・三匹が斬る!」を思い出しました。) 昨日のエントリーでは、ヒトは近接した出来事の間に(勝手な)因果関係を見出してしまい、場合によ…

ネガティブ・リザルト用のジャーナルがあれば・・・(2)

昨日は、日が変わってからの更新になってしまいました。 失礼いたしました。 前回のつづきです。 1905年になって、アインシュタインは今日、特殊相対性理論の名称で呼ばれる理論を提唱します。これにより、エーテルは存在しないことが明らかになりました。 …

ネガティブ・リザルト用のジャーナルがあれば・・・(1)

科学の世界にネガティブ・リザルト(negative result)というコトバがあります。たとえば、トマトに血液サラサラ効果があると期待されたとします。しかし、実際に実験をしてみたら、そのような効果は認められなかった。このような結果をネガティブ・リザルト…

眼瞼ミオキミア

以前のエントリーに、「右目にチックが出て止まらない」と書いたのですが、ようやく昨日、3週間以上悩まされたチックが出ずに済みました。(これまではチックが出ても数日でおさまっていたので、こんなにも続いたのは初めてで、それなりに困っていた(困惑…

温罨法(おんあんぽう)で視機能、作業効率が改善

昨日のエントリーでは、温罨法によるマイボーム腺の詰まりの解消(=ドライアイの改善)についての研究をご紹介しました。 VDT作業に携わる男性オフィスワーカー7名に対して、蒸しタオルの使用(=眼の周囲を蒸しタオルで温める)により、「目の乾き、疲れ…

温罨法(おんあんぽう)でドライアイに対処

日本におけるドライアイ患者の数は1000万人を超えるともいわれています。 ドライアイの原因はさまざまですが、眼を保護している涙の層のもっとも外側の油層が不安定になり、涙がすぐに蒸発してしまうことが原因となるものがあります。涙の成分だけでは乾燥し…

血液1滴でアルツハイマー病診断

そういえば、2年ほど前に血液1滴でアルツハイマー病の原因物質であるβアミロイドを検知できる装置の話が出ていました。 「アルツハイマー病も血液1滴で検査」 http://news.mynavi.jp/news/2014/01/24/052/ 愛知県、国立長寿医療研究センター、豊橋技術科学…

青色光の眠気低減効果について:脳波(EEG)研究とメラトニン分泌量の計測

青色光に関する研究の紹介。短めの内容を2本立てでお届けします。 「青色光(波長460nm)で、注意力が向上、眠気が低減する(EEG研究)」 青色光は眠気を覚ます効果があると言われています。 これに関して、実際に調査参加者に青色光を浴びせて効果を調べた…

ふと気になったこと

体調を崩したせいで土日で二食半くらいしか食べないでいたら危うく50kgを切るところでした(汗) 酒を飲んでいるわけでもないのに二日酔いのような症状が出たのがちょっと興味深いと思い、どんな可能性があるのかをちょっと調べてみたのですが、確度の高い情…

人生におけるストレスフルな出来事に対する耐性と遺伝子の関係

人生にはさまざまな出来事(event)が起こります。 楽しい出来事もあれば、つらい出来事もあるでしょう。 つらかったり悲しかったりするストレスフルな出来事が続けば、うつ病を発症する可能性が高くなります。 しかし、つらい出来事を経験したからといって…

健康診断で思ったこと(5)

つづきです。 この一件があったしばらく後のことなのですが、ふと立ち寄った本屋さんでとある本と出会いました。 その本には、がん、心臓病、糖尿病、アルツハイマーなど、さまざまな病気が、身体の「慢性炎症」によって引き起こされることが、近年医学の世…

健康診断で思ったこと(4)

つづきです ところで、健康診断では胸部X線検査が行われます。 おそらくは結核をみつけたり、場合によっては肺がんを見つけたりすることが検査の名目上の目的なのですが、まだ若い20代30代の受検者すべてに行う必要があるのだろうか、と私は常々疑問に思って…

健康診断で思ったこと(3)

あけましておめでとうございます。 つづきです。 医者「うーむ、内科を受診してそれで何もないと言われてしまうとそれでおしまいなので、あとは心療内科かな。ともかくも全身的な不調のようなものではなく、特定の病気を見つけるのが(医者の)仕事だから…」…

健康診断で思ったこと(2)

(つづきです。医師の口からでた、予想外の一言とは・・・) 医者「そういう感覚的なことは数量化できませんからね。」 ある種の科学者であれば、上記のような私の発言に対してそういうふうに考えることはありえるだろうという予想は事前に十分持っていたの…

健康診断で思ったこと(1)

もう今年も終わりですが、半年以上前のお話しを…。 5月か6月の頭だったと思うのですが、健康診断を受けました。 私が受診した施設では、健康診断の一連の流れが非常にシステム化されていました。 何人もの看護師さんやお医者さんが、受診者を検査から検査…

ゲームの最初の実験

ゲームの実験を生身の人間を参加者として最初に行った(と考えられる)のが、1950年頃ランド研究所に所属していたメリル・フラッドとメルヴィン・ドレッシャーの2人の研究者です。 彼らは、2人の参加者に対して、とあるゲームの利得表を提示して、実験を行…

訳語について(4)

アクセルロッドによる研究が契機となって、進化ゲーム理論の研究も盛んになりました。 進化論の用語でも、「Natural selection」は、以前は「自然淘汰」と翻訳されていましたが、今ではめっきり聞かなくなり、「自然選択」というよりニュートラルなコトバに…

訳語について(2)

これは、ultimatum gameについてだけに留まる話題ではありません。 囚人のジレンマはどうでしょうか? 先日、囚人のジレンマのゲームの利得表を紹介しましたが、それを再掲します。 ゲームの表側にある2つのコトバ(「黙秘する」と「自白する」)は、プレイ…

訳語について(1)

ゲーム理論で使われる訳語について、すこしお話ししたいと思います。 ultimatum gameは、「最終提案ゲーム」もしくは「最後通牒ゲーム」と呼ばれます。語義通りに訳すなら、後者の「最後通牒ゲーム」の方がより忠実な翻訳ということになるのでしょう。しかし…

ゲームと合理性:実験における課題

議論が少し散漫になってしまった感がありますので、結論をまとめますと、 ゲーム理論(や経済学)では・・・ 金銭報酬のみが利得ではありませんし、また選好は主体にとって千差万別です。 ゲームの実験において、実験者が参加者に対して「このゲームをプレイ…

ゲームと合理性:人間は合理的でない?(3)

(つづきです) しかし、実験を行う場合には、あらかじめゲームの参加者の内面(つまり選好)まではわかりませんから、実験者側からいわば押し付ける形でゲームを与えるしか仕方がありません。 本人の選好構造と異なるゲームを与えられたとしたら、プレイヤ…

ゲームと合理性:人間は合理的でない?(2)

つづきです。 たとえば、「最終提案ゲーム」では、もし金銭報酬“のみ”を利得と考えるプレイヤー同士が参加するのであれば、2段階ゲームを考えたときに、応答者は1円(1ドル)でも分け前をもらえる提案であれば受諾しますし、提案者は相手に1円(1ドル)だけ…

ゲームと合理性:人間は合理的でない?(1)

最終提案ゲーム(ultimatum game)を生身の人間に行わせると、提案者はあまりに不公平な提案はせず、応答者はあまりに不公平な提案がされると金銭報酬がもらえなくなるのを承知でそれを拒絶します。 この結果をもって「ゲーム理論の予測する合理的な利得最大…

足し算にも正しい順序がある?

かけ算問題に決着をつけた(ついていませんが!)その矢先、足し算にも正しい順序があるのだ、という、またもやわけのわからない教育方針が小学校の算数教育の現場で猛威を振るっているらしいという情報が入ってきました。(もちろん、黒木玄さんのtweetが情…

「かけ算には順序がある」なんていう算数教育がまかり通っているらしいです!(後編)

まず、(上に挙げた問題のような解釈を挟まない)純粋に数字同士のかけ算を考える場合、 「3✕5」と「5✕3」がどちらも同じ答えである「15」という数字を導いてくれることにこそ意味があります。 かけ算の可換性(交換可能性)という性質ですね。 (ちなみ…

「かけ算には順序がある」なんていう算数教育がまかり通っているらしいです!(前編)

(もう、何年も前からtwitterなどのメディアを中心としてネット界隈をにぎわせているネタなのですが、) 小学校の算数教育の現場で、かけ算には順序があり、順序を逆に書いてしまうと間違いだと判定されるという教育がまかり通っているらしいのです。 この問…

1万時間の法則と学業

世の中に「1万時間の法則」と呼ばれる法則があります。 ひとつの物事に1万時間、打ち込んで没頭すれば、その分野でプロフェッショナルなレベルまで上達することができるという経験法則です。 プログラマー、ピアニスト、ミュージシャン、スポーツ選手・・…

宝くじを買うヒトは不合理?(6):期待効用に関する補足

昨日のエントリーですが、説明不足があることに気づきました。 期待効用理論では、効用関数を用いてくじの期待効用を以下のように計算します。 1%で10000円、99%で0円もらえるくじであるなら、 確実に10000円もらえるときの効用に1%をかけたものと、確実に0…

宝くじを買うヒトは不合理?(5):リスクに対する態度と効用関数の形状

(前回のエントリーからの続きです) どうでしょうか? みなさんは、どうお考えになりましたでしょうか? 実は、期待効用理論の立場からは、上記に挙げたいずれの人たちも、それぞれに「合理的」でありうるのです。 宝くじを買わないヒトは、「リスク回避的…

宝くじを買うヒトは不合理?(4):リスクに対する態度

さて、3日前のエントリーで発した問いに立ち返りましょう。 「(期待値が販売額を下回る)宝くじを買う人は非合理的なのか?」という問いでした。 期待値原理の立場からみれば、(賞金の期待値が販売額より小さい)宝くじを買うという行為は非合理的と解釈…

宝くじを買うヒトは不合理?(3):期待効用原理とは

サンクトペテルブルクのパラドックスに対して、ダニエル・ベルヌーイはある解決策を提示しました。現代のコトバで言えば「ヒトは期待値原理によって行動をするのではなく、期待効用原理にしたがって行動する」というものです。 くじの例で言えば、期待賞金額…

宝くじを買うヒトは不合理?(2):サンクトペテルブルクのパラドックス

ヒトは期待値原理にしたがってくじを選ぶわけではない。 このことを明らかにしたのが、サンクトペテルブルクのパラドックスです。 早速ですが、つぎのようなくじについて考えてください。 みなさんなら、このくじの購入にいくらまでであれば支払ってもよいと…

宝くじを買うヒトは不合理?(1):期待値原理とは

みなさんは宝くじを買うことは/買ったことはありますか? 宝くじの払戻率は5割程度ですから、200円の宝くじを買うたびに、期待値では100円の損をする計算になります。 ちなみに我が国における宝くじの売上金額はおおよそ1兆円だそうです。ということは毎年、…

実際に生身の参加者にultimatum gameをプレイさせると・・・

さて、この最終提案ゲームを実際の生身の人間にプレイしてもらうとどのような結果になるでしょうか?つまり、参加者を募って、実験を行ってみるわけです。参加者はどのような行動をとるでしょうか? 実験では、実験者が参加者にゲームのルールを説明して十分…

Ultimatum gameにおける均衡は?(解説編)

最終提案ゲームにおけるそれぞれの参加者(プレイヤー)の最善手について考えます。 まず、応答者がどう考えるかから見ていきましょう。提案者の提案を受け入れることによって実現できるか、拒否することによって破棄できるかの権限を握っているのは応答者だ…

Ultimatum gameにおける均衡(お互いにとっての最善手の組)は?

Ultimatum gameは、「最後通牒ゲーム」もしくは「最終提案ゲーム」と翻訳されます。ゲーム理論で取り扱う「ゲーム」の中で、手番のあるゲームの典型例です。 ゲームの参加者(プレイヤー)は2人。提案者(proposer)と応答者(受け手、responder)です。こ…

森口繁一教授の評伝の面白かったところ

昨日紹介した今野浩先生の本で面白かったところをご紹介します。 エピソード1 著者の今野先生は卒論のタイトルを「ゲーム理論に関する考察」とした。 フォン・ノイマン&モルゲンシュテルンの大著『ゲームの理論と経済行動』に取り組むも、数十ページでダウ…

森口繁一教授の評伝

10/28のエントリーで触れた、森口繁一教授(故人)の逸話を読んでみたいと思い、今野浩著「工学部ヒラノ教授と昭和のスーパー・エンジニア —森口繁一という天才— 」をざっと読みました。「この本の構成中に交通事故で亡くなったジョン・ナッシュ教授」という…

計算機社会科学に関する講演を聞いてきました(後編)

なお、質問の時間はなかったのですが、もしその時間があれば質問してみたかったことを書いておきます。 1)社会シミュレーションにもとづいて、その予想がどれくらい確からしいかを検証する大規模社会実験がおこなわれたことは過去にありますか?(事後的に…