脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

視力低下を引き起こす要因(2)

現代人の生活環境には、目を悪くする要因が多々あります。
読書、テレビ、ゲーム、パソコン、タブレット、室内に引きこもること・・・。
これだけ目を酷使していれば、目が悪くなって当然です。

しかし、日本ではほとんどの人が近視のせいか、眼に悪いさまざまな生活習慣が改められる様子はありません。(たとえば、「ノー残業デー」のある会社はあっても、「ノー・パソコンデー」のある会社はほぼ皆無なのではないでしょうか?わずか四半世紀たらずで、パソコンは現代人にとって、日々の仕事や生活に欠かせないものになってしまいました。)

 


また、どのような道具を使うかの他に、どのような環境で過ごしているかも、視力に影響をあたえることがわかっています。

たとえば、人口密度の低い郊外に暮らしている人と、人口密度の高い都会に暮らしている人を比較した場合、都会暮らしの人の方が視力が悪いことがわかっています。

さらには、独立家屋とアパートメント(集合住宅)では、アパートに済む人の方が視力が悪いことも示されています。

これらの研究が示唆していることは、空間が開けている郊外に一軒家を立てて、読書やパソコンで目を酷使せず、内に引きこもらないで、屋外で活動することが目にはいいのだ、ということです。誰にとっても実現可能な解決策ではないことが遺憾ではありますが、ともかくも郊外の暮らしは都会に比べて目に優しいことは確かなようです。


このように考えると部屋も狭く、建物が密集して、視界の開けていない日本の都会暮らしは、目にとっては最悪の環境であると言って間違いでしょう。視力低下が気になる人は、少しでも改善できる工夫を日々の生活に取り入れる努力をする必要がありそうですね。

参考文献
Ip, Jenny M., et al. "Myopia and the urban environment: findings in a sample of 12-year-old Australian school children." Investigative ophthalmology & visual science 49.9 (2008): 3858-3863.

【今回のテーマに関する評価】
実現度:生活次第
有用度:☆☆☆