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脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

頭部移植手術は可能か?(1)

6月26日に、たいへん気になるニュースが配信されていました。

 

脊髄性筋萎縮症に苦しむロシア人男性が、自分の頭部を脳死したドナーの体と結合する手術を受ける決意をし、手術を担当する予定のイタリア人医師が手術費用を集めているという内容でした。100人のスタッフが36時間をかけて行う大手術が予定されており、その手術費用は1500万ドル(日本円で18億円)かかるそうです。

 

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20150626-00000062-jnn-int

 

つまり病気で弱った身体から頭部を切り離し、健康な首から下の身体に接続するという非常に困難な手術によってこの難病に苦しむ患者を救おうというわけです。

 

 

非常にショッキングなこのニュースは、遠く離れた日本でも注目を集めました。

おそらくは世界中で多くの人々の関心の的になっているのではないでしょうか?

 

このような手術の計画・実施は1人の医師の一存では決められるとは到底思われませんので、おそらくはヒトを対象とした医療行為に関する倫理委員会の承認を得ているのでしょう。しかも、この患者の命を何とか救うためには、このような極めて難しい手術に頼るしかないであろう、という判断があり、さらに手術計画や術後の対応の計画が綿密に練られていなければ、倫理委員会の審査を通ることはないでしょう。

 

倫理的な問題が解決され、手術が実施されて見事成功したとしても、

 

そもそも他人の体に自分の首を付け替えて、生命を維持することはできるのか?手術に成功したとして、拒絶反応をどう抑えるのか?

 

という疑問が残ります。

 

 

実はサルを対象とした実験では、先例があります。実際にサルの頭部を別のサルの体につなげ直す手術の実施例があるのです。手術は成功し、首をすげ替えられたサルはしばらく生きていましたが、その後すぐに死んでしまいました。(このような実験は、現代的な倫理基準からは安易には許されないのではないかと思われます。)

 

人を対象とした手術であることを考えると、患者の命を守るためには、いかにして手術後の拒絶反応を抑えてやるかが決定的に重要な課題になるはずです。