脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

ギリシャの債務不履行問題に思う

ギリシャ債務不履行の瀬戸際に立たされています。

EUのギリシャへの金融支援が6月30日に打ち切られる予定となり、国際通貨基金(IMF)など、ギリシャへの財政支援を行ってきた金融機関への債務の返済が不可能であると見られています。

 

すでにギリシャ国内では預金の引き出しが制限され、ATMには大行列が起きているようです。

ニュース映像を見たときは、すわ、取り付け騒ぎか、と思ったほどです。

 

欧州各国の金融機関はギリシャ国債を大量に保有しているため、2009年のユーロ危機の再来にならないか、金融不安が広がっています。

実際、ヨーロッパ各国の主要株価指数は下落傾向を示しているようです。

日本経済にどれくらいのインパクトを及ぼすかは、よくわかっていません。

 

 

市場を混乱させても誰にとっても得にならないのは明らかなので、

個人的には、ECBは最後の貸し手としての機能を果たして潤沢な資金を供給して急場をしのぎ、しかるべき後に、ギリシャをユーロから離脱(EUから離脱ではありません!)してあげればいいのではないかと思うのです(※注1)。

 

そうすれば、これまではユーロの枠組みに縛られてできなかった(自国の経済状況に合わせた)自由な金融政策がとれるようになります。さらにギリシャの通貨ドラクマがユーロに対して大幅に減価すれば、海外からの観光客も大幅に増え、観光に依存しているギリシャとしては大助かりになるのではないでしょうか?

 

ヨーロッパ大陸に再び世界大戦の惨禍を招かないために欧州各国は団結をしなければならない、というEUの政治的理念は尊重しつつも、欧州各国の人々の暮らしを安定させ(、さらには世界経済の安定を図)るためには、ユーロという共通通貨の枠組みに縛られることなく、経済状況の違う国々は、やはり異なる通貨を発行した方が国民の幸せにつながると言えるのではないでしょうか。

実際にイギリスは、EUに参加しつつも独自通貨ポンドを発行しているのですから、このこと自体は何の問題もありません。

 

 

ともかくも今回の問題がどう進展していくのか、また日本経済への影響は軽微にとどまるのか拡大するのかなど、動向を見定めていきたいと思います。

 

本エントリーの話題、すこし悩みましたが、「その他、科学」のカテゴリーに入れておきました。(うわさで取り付け騒ぎが起きた、などというようなお話だったら、群集心理の観点から議論できたと思いますが、そういうわけでもありませんので。)

 

 

注1:そもそもギリシャがユーロに参加していなければ、ユーロ危機以降の問題は生じることはなかったのではないでしょうか。