脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

運動療法の意義

厚生労働省は、うつが引き起こす経済損失は年間2兆円以上にも上ると試算しています。うつ病で自殺をしてしまったり、休業せざるを得なったりすると、その分、生産活動が落ち込んでしまうなどの理由により経済的損失が発生します。

 

うつ病の治療薬であるSSRI(Selective Serotonin Reuptake Inhibitors; SSRIは、うつ病は脳内の神経伝達物質の異常によって引き起こされる、という考えに則って開発されました。SSRIの投薬市場は1000億円を超えるそうです。

 

定期的な有酸素運動抑うつ状態を減らしたり緩和できるとなれば、医療費の増加になやむ我が国にとっても朗報であると言えましょう。

 

 

注:SSRIは、シナプスにおいて、神経伝達物質の1つであるセロトニンシナプスニューロンに再取り込みされるのを防ぐことで、シナプス間隙におけるセロトニン濃度を高めます。これによりうつ症状が緩和されると考えられてきました。