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脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

報酬系(11):報酬系は文化的なモノによっても活動する

元来、報酬系は、食料や飲料などを摂取する際に活動し、それらの摂取を強化する働きを担っています。つまり、生命の維持に重要なモノ、個体に喜びをもたらしてくれるモノへの接近動機を高めることに役立っています。

 

しかし、人間の嗜好は文明の発展とともに複雑化しました。食べ物のような単純な報酬物のみならず、お金や名声のような文化的な報酬物に対しても反応するようになったのです。

 

文化的な報酬物の代表例が「クルマ」です。

スポーツカーや高級車に目がないクルマ好きの人は多いですが、彼らが羨望の眼差しでクルマを見ているときには、脳のどの部位が活動しているのでしょうか?

 

12名の男性参加者に、fMRIスキャナーの中で、クルマの写真を見せて、どれくらい魅力的かを評価してもらい、その際の脳活動を調べた実験があります。

 

クルマの画像は66枚用意します。その内訳は「スポーツカー」「リムジン」「小型車」がそれぞれ22枚ずつです。色などの視覚的な影響を受けないよう、白黒写真で呈示します。

 

画像はランダムな順番で呈示され、6秒間モニターに映しだされます。

参加者は5段階で各画像のクルマの魅力度を1.5秒間の間に評定します。

 

 

主観評定による魅力度は、「スポーツカー」>「リムジン」>「小型車」でした。

 

そのような好みに反応して脳活動が生じたのは右の腹側線条体、左の眼窩前頭皮質、右の紡錘状回、左の外側後頭皮質でした。

 

腹側線条体眼窩前頭皮質は報酬系であり、これら報酬系がクルマのような文化的なオブジェクトに対して反応することがわかったのです。

 

 

Erk, Susanne, et al. "Cultural objects modulate reward circuitry." Neuroreport 13.18 (2002): 2499-2503.