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脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

ストレス指標としての唾液アミラーゼ

現代社会にはさまざまなストレスがあふれています。

長時間労働やIT化にともなうテクノストレスなど、サラリーマンは多くのストレスを抱えています。低年齢化する受験競争のため、子どもたちにとってもストレスは日常的な問題になっています。

 

ストレスの簡便な調査法は、口頭でストレス度を尋ねることですが、主観報告であるため、別の方法で定量的な数値データとしてストレス度を把握したいという要望も出てきます。

 

何らかのバイオマーカーでストレスを測ることはできないだろうか、という発想から様々な研究が行われてきています。

 

血中や唾液中の「コルチゾール」、唾液中の「クロモグロニンA」、血液中の「免疫グロブリン」などが、ストレスのバイオマーカーとして有望視されてきました。

 

ただ、これらの中には、血液を採取する必要のあるバイオマーカーも含まれています。血液をとるような調査をおこなうとなると、倫理的なハードルも上がりますし、何よりも調査参加者にかかる負担が大きなものになってしまいます。

 

そのため、できれば唾液などからストレスのバイオマーカーをとることができると、調査の実施の観点からも、参加者の権利を守る観点からも望ましいと言えます。

 

唾液アミラーゼについては、ストレスによる交感神経の興奮が(時間のかかるホルモン作用によるルート(交感神経-副腎髄質系)を介さずに)、神経作用を通じて短時間で唾液腺での酵素分泌を引き起こし、唾液アミラーゼ分泌量を増やす反応の速いルートがあることが知られているそうです。

 

以上により、唾液アミラーゼ分泌量がストレスの指標として有望なのではないかと考える研究者もおり、簡便なストレス計測法として認知されつつあります。

 

 

【参考文献】

山口昌樹. "ストレスと生活 2 唾液マーカーでストレスを測る." 日本薬理学雑誌 129.2 (2007): 80-84.