脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

表情計測と表情筋計測

英語では、facial codingやfacial trackingなどと呼ばれる表情計測の技術も進歩しており、マーケティング調査などでも広く応用されています。

 

表情径計測では、webカメラなどを使って、調査参加者の顔の映像を撮り、表情に現れる情動の推定を行います。

 

世界にはさまざまな文化圏がありますが、文化の壁を越えて共通すると考えられる、基本6情動というものがあります。

 

「よろこび」「悲しみ」「怒り」「恐怖」「嫌悪」「驚き」が基本6情動です。

 

標準的な表情計測技術では、基本6情動の他、感情のポジティブ/ネガティブすなわち感情のvalenceを評価してくれます。

 

表情計測を行うことによって、CMなどの映像コンテンツを見ている際の、視聴者の情動の変化をとらえることができると考えられています。

 

しかし、感情表現豊かな欧米人ならばよいのですが、アジア人の場合、表情の変化が乏しいという問題点があります。

 

このような場合に、使える可能性があるのが、表情筋計測です。

表情筋計測では、顔に明確な表情の変化が現れない場合にも、筋電の変化を捉えることができるので、有用な分析ツールになると考えられます。

 

表情筋計測では、皺眉筋(しゅうびきん)、大頬骨筋(だいきょうこつきん)、眼輪筋(がんりんきん)の3つが主な計測対象になります。

 

皺眉筋=ネガティブな気分のときには眉をひそめる

大頬骨筋=ポジティブな気分のときには口角が上がる

眼輪筋=本当の微笑のときには目の周りの筋肉も動く

 

というふうに活動の意義付けを行うことができます。