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脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

乳児の顔の識別能力

私たちは、人間の顔の違いを認識することができます。AさんとBさんとが違う顔であることを苦もなく判別する能力を持っています。

 

しかし、これが人間以外となるとどうでしょうか?

 

動物園やサファリパークで、動物の群れを見たときに個体を判別できるでしょうか?たとえば、サルやゾウやライオンの群れを見たときに、個体間の識別ができるでしょうか?

 

おそらく多くの人にとっては、サルはサル、ゾウはゾウという認識で、個体間の違いはよくわからないのではないかと思います。

 

実際、おとなになると、人の顔の違いは認識できるのですが、サルの個体の違いは認識できなくなってしまうようです。

 

 

では赤ちゃんはどうでしょうか?

 

実は人間の赤ちゃんは、サルの個体の違いを見分けることができるのです。

これを調べるために視覚的一対比較法(visual paired-comparison procedure)という手法を用います。

 

まず生後6カ月と9カ月の赤ちゃんにサル(orヒト)の写真を見せます。次に、いま見ていた写真と新しい個体の写真とを並べて呈示します。すると、6カ月の赤ちゃんは新奇刺激である、新しい個体の写真を長く見たのです。9カ月の赤ちゃんは成人と同じ傾向を示しました。

 

これにより、生後6カ月ごろの赤ちゃんは人間の顔を見分ける能力のあることがわかりました。そればかりでなく、サルの個体識別もできることが判明しました。

 

サルの個体識別の能力は、人間社会の中で暮らす中では不必要なので、成長の過程でそのような能力が衰えてしまうのかもしれません。

 

Pascalis, Olivier, Michelle de Haan, and Charles A. Nelson. "Is face processing species-specific during the first year of life?." Science 296.5571 (2002): 1321-1323.