脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

赤ちゃんはアイコンタクトを好む

以前、アイコンタクトがヒトの報酬系(腹側線条体)を活動させるという研究をご紹介しました。

http://neuroscience.hatenablog.jp/entry/2015/08/03/213242

ヒトにとって他者の視線の情報が非常に重要であることを示唆しています。

 

赤ちゃんも、アイコンタクトを好むことが知られています。

 

赤ちゃんに、視線がこちら側を向いている顔写真と、視線がそっぽを向いている写真を並べて見せます。そして、どちらの写真をより長く見ているかを測定します。すると、こちら側を向いている写真=アイコンタクトのある顔写真への注視時間が長くなることがわかりました。

 

そのときに赤ちゃんの脳の報酬系が活動しているかどうかまではわかりませせんが、アイコンタクトは赤ちゃんにとっても重要な情報を持っていることが伺い知れます。

 

おそらくは、養育者のアイコンタクトに対してキチンと反応し、社会的なインタラクション(食事をもらう、保護してもらう)のきっかけを摑むことは、個体の生存を高める上で有用であったのでしょう。

 

 

Farroni, T., Csibra, G., Simion, F., & Johnson, M. H. (2002). Eye contact detection in humans from birth. Proceedings of the National Academy of Sciences, 99(14), 9602-9605.