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脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

オマキザルは不公平に敏感:後編

昨日のエントリーのつづきです。

 

「公平な条件」(Equality test)

これは、自分も仲間もトークンと引き換えにキュウリがもらえるという条件です。

この条件のときは、実験者からトークンを渡されたオマキザルは素直に課題をこなし、キュウリを食べます。

 

「不公平な条件」(Inequality test)

自分はトークンと引き換えにキュウリをもらえるが、仲間はトークンと引き換えに、(キュウリより魅力的な)ブドウをもらえるという条件です。

 

この条件のときは、トークンの受け取りを実験者に投げ返したり、報酬であるキュウリの受け取りを拒絶したりという振る舞いが見られるようになります。

 

 

「報酬を得るための努力に違いのある条件」EC(effort control条件)

仲間はただブドウをもらうだけなのに、自分はトークンと引き換えにキュウリをもらうという課題をこなさなければならない条件です。

 

このとき、もっとも拒絶率が上がり、平均すると80%の試行で報酬の受け取りを拒否します。「なんで私は課題をこなしているのに、もらえる報酬までキュウリなのよ。こんなのやってられないわよ!」というオマキザルの不満の声が聞こえてくるかのようです(※実験に参加したオマキザルはメスです)

 

 

 

「エサに違いがある条件」FC(food control条件)

仲間はいない状態で、仲間が普段座っている場所にブドウが置かれているのを目撃。一方、自分はトークンと引き換えにキュウリをもらうという課題をこなす条件です。

 

このときは、「不公平条件」と同程度の割合で拒絶が起こります。「隣りにはブドウが置いてあるのに、なんで私はキュウリでがまんしなくちゃならないのよ」といったところでしょうか。

 

もちろん、研究を行う立場からは、過度の擬人化は控えなければなりませんが、実験映像を見ていると、不公平な立場に置かれたオマキザルの「心の叫び」が聴こえてくるかのような感覚に陥ります。

 

下記URLに、実験映像があります。研究者のde Waal氏のTED講演の抜粋のようです。興味を持たれた方はご覧ください。

 

URL:

https://www.youtube.com/watch?v=-KSryJXDpZo

 

 

参考文献:

Brosnan, Sarah F., and Frans BM De Waal. "Monkeys reject unequal pay." Nature 425.6955 (2003): 297-299.