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脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

騙される知覚(perception)、騙されない行為・行動(action)

昨日のエントリーでティッチナー錯視(エビングハウス錯視)についてご紹介しました。

いわゆる、大きさの対比に関する錯視というもので、実際は同じ大きさの円でも、その周囲をより小さい円に囲まれていれば真ん中の円は大きく見えますし、より大きい円で囲まれていれば真ん中の円は小さく見えるのでした(=perceptually different)。

 

周囲を複数の円で囲まれているそれら2つの真ん中の円の大きさを調整すると、これらの円の見かけの大きさを揃えることができます(=perceptually same)。

 

ここで実験参加者に、真ん中の円を人差し指と親指でつまんでもらう、という課題を行ってもらいます。

 

すると、大きさが同じに見える条件(perceptually same条件)のとき、大きい円には指の間隔はちゃんと大きく、小さい円には指の間隔はちゃんと小さく開いたのです。

 

また、大きさが異なって見える条件(perceptually different条件)のときにも、実際の円の大きさに応じて指の間隔は調整されたのでした。

 

つまり、知覚は騙されてしまったのですが、モノをつかもうとする際の運動の方は騙されなかったことになります。

 

脳の中でさまざまな情報処理が無意識的になされることで、我々の知覚や行動はうまい具合に実現されているのだと言えましょう。

 

(しかし、挿絵がないとまどろっこしい上にわかりにくいですね。

百聞は一見に如かずとはよく言ったものです。

 

下記のフィギュアをご参照ください。

http://dvg4ol0hclm7o.cloudfront.net/content/royprsb/281/1785/20140337/F2.large.jpg

 

 

参考文献:

Aglioti, S., DeSouza, J. F., & Goodale, M. A. (1995). Size-contrast illusions deceive the eye but not the hand. Current biology, 5(6), 679-685.