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脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

注意を向けていない製品に対する脳活動からその後の選択を予測する:後編

注意を向けずにクルマの画像を見た場合と注意を向けてクルマの画像を見た場合のそれぞれの脳活動から、見たクルマをほしいと思うかどうかの判断の予測ができるかを調べるという研究です。クルマの画像を見ている際の脳活動をfMRIによって計測しました。

 

調査参加者は32名の成人男性で、17名と15名の2グループに分けられました。

用意された車の画像は10枚で、各々3回くり返して提示します。

 

17名は、注意を向けてクルマの画像を見るグループに割り振られました。

このグループの参加者は、MRIのスキャン装置の中で、まず2.4秒間クルマの画像を提示され、それらがどれくらい好きかを4段階で回答するよう求められました。

 

 

15名は、クルマの画像は提示されるのですが、それには注意を向けないグループに割り振られました。こちらのグループは、同じく2.4秒間、クルマの画像を提示されるのですが、その画像に重なって小さな四角が提示されてそれに関する判断を求められるという違いがあります。小さな四角は左右のどちらかの辺が欠けており、参加者はどちらの辺が欠けているかをボタン押しで回答するよう求められます。この課題を行うため、クルマの画像に注意を向けている余裕がなくなるという仕掛けです。

 

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両グループの参加者ともfMRIスキャンの後、クルマの画像を改めて提示され、「このクルマを買いますか?」と尋ねられ、「はい」「わかりません」「いいえ」で回答をします。

 

fMRIスキャン中の内側前頭前皮質(medial prefrontal cortex, mPFC)と島(insula)の活動から、スキャン後に欲しいと思う商品であるかどうかの予測を行ったところ、両方の脳領域からの活動からチャンスレベル(50%)を超える7割以上の予測成功率が実現されました。

 

また、この予測は、スキャン中にクルマに注意を向けている場合もそうでない場合も、いずれにおいても成功したのです。

 

これにより、脳は注意を向けていない場合も、視界に入っているモノが欲しいものかどうかを自動的に判断していることが明らかにされました。

 

将来、このような知見に基づいた新たなマーケティング調査手法が開発されるのかもしれません。

 

 

 

参考文献(図の引用元):

Tusche, A., Bode, S., & Haynes, J. D. (2010). Neural responses to unattended products predict later consumer choices. The Journal of Neuroscience, 30(23), 8024-8031.