高級ブランド車とお値打ちブランド車への脳反応:前編
元来、食べ物など生存に必要なモノに対して反応していたと考えられる報酬系は、ヒトの社会が複雑化するにつれて、クルマやお金、賞賛など文化的なモノやコトに対して反応するようになりました。
以前のエントリーでは、スポーツカーのようなカッコいいモノに対して報酬系(側坐核)が活動するという研究を紹介しました。
http://neuroscience.hatenablog.jp/entry/2015/08/14/002954
クルマにはさまざまな種類があります。他者に社会的地位の高さを誇示するために所有したり、所有すること自体が喜びであるような高級車やスポーツカー(lusury and sports cars)、実用本位のお値打ち車(value brand)、身近ではなくよく知らないブランド(unfamiliar brand)のクルマなどが挙げられます。
これらのクルマの違いは、それについて考えるヒトの脳活動にどのような違いを引き起こすのでしょうか?SchaeferとRotteはこの問題に取り組みました。
研究では、
高級車やスポーツカーで知られる自動車会社(luxury and sports brand)
実用車で知られる自動車会社(value brand)
その国では馴染みがなく、あまり知られていない自動車会社(unfamiliar brand)
の会社のロゴを参加者に見せて、それらの会社のクルマに乗っているところを想像してもらい、その間の脳活動をfMRIで計測しました。
(後編へつづく)
参考文献:
Schaefer, M., & Rotte, M. (2007). Thinking on luxury or pragmatic brand products: Brain responses to different categories of culturally based brands. Brain research, 1165, 98-104.