脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

赤ちゃんは「好き」?「見ていたい」?:前編

以前、報酬系についてのエントリーで、wantingとlikingが異なる神経機構によって支えられ、ドーパミン系はwantingに関与していると考えられるという知見について紹介しました。

 

Wantingは、「欲しい」「食べたい」「見たい」「聞きたい」という入手したいという動機を指します。

 

一方、likingは、「好き」かどうか、すなわち、食べたものが美味しかったか、見たもの、聞いたものが心地よかったか、など主観的体験の快不快や評価を指します。

 

欲しいから好きとは限らないことは、薬物依存症の患者を見れば明らかでしょう。禁断症状のせいでそのモノを欲するのですが、必ずしも薬物の使用から快感を得ているとは限らないのです。つまり、wantingとlikingは分離していると考えられるわけです。

 

 

ところで、赤ちゃんの顔について、ヒトはどのような反応を示すでしょうか?

 

赤ちゃんの顔は、広い額、大きな目、まるく突き出た頬などに特徴付けられる「かわいさ」を持っています。

 

周囲の人間が赤ちゃんを「かわいい」と思うことで、赤ちゃんを守ってあげたい・育ててあげたいという養育行動につながります。つまりひとつの見方として、likingがあり、ついでwantingがあると言えそうです。このような見方は男女ともに適合するのでしょうか?それとも性差があるのでしょうか?

 

(次回のエントリーに続きます)