脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

デフォルトモードネットワーク(DMN)と創造性

創造的なヒトとそうでないヒトにはどのような違いがあるのでしょうか?

 

一般的な創造性については定義することも測ることも大変な困難を伴うため、心理学や脳科学では実験用の創造性課題を用いて研究をおこないます。Alternative use課題(別用途考案課題)がその代表例のひとつで、調査対象者に何か特定のモノの普段とは異なるさまざまな使いみちを考えてもらいます。例えば、レンガの使いみちを思いつく限り挙げてもらうという課題があります。枕にする、漬け物石にする、ダンベル代わりにする・・・など、たくさんの用途を挙げられるか、その発想内容はユニークか、などが独創性の評価ポイントになります。この課題によって、拡散的思考の独創性が測られます。

 

独創性の高かった参加者と低かった参加者を分けて、安静中の脳活動をfMRIで調べたところ、左のIFG(下前頭回)がDefault mode network(DMN)との機能的な結合が高く、右のIFGは左右の下頭頂皮質や左のDLPFC(背外側前頭前皮質)との機能的な結合が高いことが判明しました。

 

 

拡散的思考の得意なヒトの脳では、認知制御に関する脳領域とイマジネーションに関する脳領域とが協調して働くことで、広がりのある発想が出てくるものと考えられます。

 

 

参考文献:

Beaty, Roger E., et al. "Creativity and the default network: A functional connectivity analysis of the creative brain at rest." Neuropsychologia 64 (2014): 92-98.