読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

創造性は左右の脳どちらと関連する?(脳波研究)

右脳と左脳が異なる機能を担っているとする研究は数多くあります。

代表的なものは言語機能で、言語中枢は左の脳にあると考えられています。

脳の特定の領域(ブローカ野)を損傷すると、言葉がうまくしゃべれなくなりますし、また脳の別の領域(ウェルニッケ野)を損傷すると、言語が理解できなくなってしまいます。これらの領域は、通常、左脳にあります。左脳が言語機能を担っているとされる所以です。

 

 

創造性については右脳が担っているため右脳を鍛えることが重要だ、と主張する論者も現れて、右脳開発を標榜するセミナーが開かれたり、「これからは感性重視の右脳人間の時代だ」などというスローガンが流行ったりもしました。

これらはいわゆる神経神話のたぐいだと言ってしまって差し支えないと思うのですが、まじめな学術研究においても左右脳の機能分化については研究されています。

 

 

Finkらは、拡散的思考課題である別用途考案課題(Alternative use課題)を参加者に課し、その課題成績によって創造性の高いグループと低いグループに分けました。課題思考中の脳活動を調べたところ、高創造性群では、前頭部では左右の脳のアルファ帯域パワーが高く、後頭部では右脳のアルファ帯域パワーが強いという非対称性見つかりました。一方、低創造性群では、左右の前頭部でアルファ帯域パワーが高まったものの、高創造性群で見られたような左右のアルファ帯域パワーの非対称性は観察されませんでした。

 

アルファ帯域パワーの増加は皮質活動の低下とみなされますので、この課題では、高創造性群では右脳の活動は低下した、と解釈されます。

モノの使いみちを考えたり報告したりするときに言語機能を使いますので、左脳がより活動した可能性も考えられます。

 

ともかくも、創造性の高いヒトたちは、うまく左右の脳を使い分けることで創造的な思考を実現しているのかもしれません。

 

 

参考文献:

Fink, Andreas, and Mathias Benedek. "EEG alpha power and creative ideation." Neuroscience & Biobehavioral Reviews 44 (2014): 111-123.