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脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

道徳的判断と脳:感情の果たす役割

Greeneらは、トロッコジレンマと歩道橋ジレンマにおける受け入れ判断の可否の違いを脳の感情的な反応の違いから説明しました。

 

彼らは、道徳的ジレンマには2種類あるといいます。moral-personal dilemmasとmoral-impersonal dilemmasです。

 

典型的なmoral-personal dilemmasには、歩道橋ジレンマの他、5人に分け与えるため1人の人間の臓器を盗むこと、沈みつつあるボートから人を投げ捨てること、などが挙げられます。

 

典型的なmoral-impersonal dilemmasにはトロッコジレンマの他、落し物の財布からお金をとること、他の選択肢よりも多くの死を招くであろう政策に賛成票を投じること、などが挙げられます

 

 

Greeneらは、これらのジレンマ課題を複数用意し、参加者にfMRIスキャナの中で、「適切」か「不適切」かを判断させました。

 

 

Moral-personal dilemmaに対しては、内側前頭回(medial frontal gyrus)、後帯状回(posterior cingulate gyrus)、左右の角回(angular gyrus)が活動しました。これらの領域は情動(emotion)に関連する領域であることがわかっています。

 

 

研究者らは当該の行為が道徳的に正しいかあるいは間違っているか、という判断を下すのではなく、脳の情動的な反応が「適切」か否かに対する判断に影響をおよぼすことを示したのでした。

 

 

参考文献

Greene, J. D., Sommerville, R. B., Nystrom, L. E., Darley, J. M., & Cohen, J. D. (2001). An fMRI investigation of emotional engagement in moral judgment. Science, 293(5537), 2105-2108.