脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

幸せはどう測る?:ディーナーの人生満足尺度

 

昨日のエントリーでは、幸福感は(ある範囲で)伝播する(happy な人は身近な人をhappyにする)、という話題を取り上げました。

このような研究を行う場合には、そもそも幸福感(happiness, well-being)などを何らかの形で測定しなければなりません。研究者たちが用いたのはCES-Dという抑うつを調べる尺度の中のポジティブ感情に関連する4項目でした。

 

では、その他に幸福感を調べる方法はないのでしょうか?

 

その中のひとつが、長らく幸福研究をしてきたエド・ディーナーによる人生満足尺度(Satisfaction With Life Scale (SWLS))です。

 

下記、5項目の質問に対して、

 

・ほとんどの面で私の人生は私の理想に近い

・私の人生はとてもすばらしい状態だ

・私は自分の人生に満足している

・私はこれまで自分の人生に求める大切なものを得て来た

・もう一度人生をやり直せるとしてもほとんど何も変えないだろう

 

これらの質問に7段階で回答します。

7(強く同意する)

6(同意する)

5(やや同意する)

4(どちらでもない)

3(やや同意しない)

2(同意しない)

1(強く同意しない)

 

 

回答後、合計点を算出します。(5〜35点)

 

点数の解釈は下記のとおりです。

なお、アメリカ人がサンプルだと思われるので、日本人は点数が低めの値になるかもしれません。

 

30点以上:人生満足度が非常に高い

25〜29点:満足(人生が順調)

20〜24点:平均的な満足度

15〜19点:やや満足度が低い

10〜14点:不満

5〜9点:不満がとても強い

 

みなさんの点数はいかがだったでしょうか?

 

なお、幸福感を調査する場合、それを測るとはどういうことなのか、どのような困難があると考えられるのかについて考える必要があると思いますが、それについては今後、改めて議論したいと思います。

 

 

参考文献:

Ed Diener教授のページに、日本語版(wordファイル)が掲載されていますので、ご参考ください。

このページから、子ども・10代向けのSWLSも参照することができます。

http://internal.psychology.illinois.edu/~ediener/SWLS.html

 

人生満足尺度を調査・研究に利用する場合は、下記クレジットをお忘れなく

Ed Diener, Robert A. Emmons, Randy J. Larsen and Sharon Griffin

the Journal of Personality Assessment(1985)

 

下記はDiener教授のwebページの文章です

Permission to Use

The scale is copyrighted but you are free to use it without permission or charge by all professionals (researchers and practitioners) as long as you give credit to the authors of the scale: Ed Diener, Robert A. Emmons, Randy J. Larsen and Sharon Griffin as noted in the 1985 article in the Journal of Personality Assessment.

 

Web上でSWLSを計算してくれるサイトがありました。

http://www2s.biglobe.ne.jp/~SHUJI/happiness.html