音楽を聴いているときの脳活動
今回も2本立てで、音楽とそれを聴いているときの脳活動の関係性についてご紹介します。
「感動する音楽はドーパミン神経を活性化する(fMRI, PET研究)」
参加者に感動して鳥肌が立つ(chillが起きる)音楽を持ってきてもらい、それを聴いている際の脳活動を計測した研究があります。
この研究では、
感動するポイントに至る直前の「感動の予期(anticipation)」の箇所に対しては尾状核の活動が見られました。
また、感動するポイントを聴いている「感動の経験(experience)」の箇所に対しては側坐核の活動の大きな上昇が見られました。
この研究により、背筋がゾワゾワっとするような音楽の感動はドーパミン神経系の活性化(activation)を伴うものであることが示唆されたのです。
参考文献:
Salimpoor, Valorie N., et al. "Anatomically distinct dopamine release during anticipation and experience of peak emotion to music." Nature neuroscience 14.2 (2011): 257-262.
「音楽を聴くとデフォルトモードネットワーク(DMN)の活動が変化する」
デフォルトモードネットワーク(Default mode network, DMN)は、意識的な気づき(conscious awareness)、自己省察、自伝的記憶、情動など、「自己」に関わる脳内のネットワークです。
人々が好きな音楽を聴くときにも、DMNの内部結合(interconnectivity)がダイナミックに変化します。音楽をパーソナル・ヒストリー、コアな情動的記憶、そして共感に結びつけようとしているのだと考えられています。
参考文献:
Vickhoff, B., & Malmgren, H. (2004). Why does music move us?. Philosophical Communications, 1652-0459.