脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

すこし長めのひとりごと(4)

 

ここ数回のエントリーは結末を探りながら書いていたのですが、うまく収束していかないですね。

 

ときどきアタマをよぎることなのですが、脳科学や心理学ではN=1だったり、1 trial(single trial)のデータでどこまで何が言えるのかが気になっているという背景があってこの雑文を書いています。

たとえば、身長だったら、Aさんは170cm、Bさんは167cm・・・のようにひとりひとり数値を確定することができます(もちろん、測定誤差は存在しますが)。体重や血圧も◯月◯日XX時XX分の体重や血圧はかくかくしかじか、のように測定することができます。しかし、脳のデータは、まだそのような確定的なものとして世に出ているものは少ないように思うのです。たとえば、不安傾向と恐怖の表情の画像を見たときの扁桃体の活動の、被験者群のデータに対する相関のようなものはありますが、では扁桃体の活動が◯◯だと、特性不安度が△△のような確定的に診断してくれるようなデータはあまりなさそうだ、ということです。

医療にしても、サプリメントのような健康食品にしても、今後はテーラーメード化が進み、かくかくしかじかの属性のヒトにはこれが効く、のようなN=1を前提としたサービスが進展するものと思われます。

脳活動の測定も、いずれはその方向に進んでいくと思うのですが、どんな技術やどんな分析の枠組みが必要かを考える必要がありそうです。

 

考えるべきことはいろいろありますが、脳波データのノイズ除去をする予定になっていますので、ここでおいとまいたします。