温罨法(おんあんぽう)でドライアイに対処
日本におけるドライアイ患者の数は1000万人を超えるともいわれています。
ドライアイの原因はさまざまですが、眼を保護している涙の層のもっとも外側の油層が不安定になり、涙がすぐに蒸発してしまうことが原因となるものがあります。涙の成分だけでは乾燥しやすいので、通常は1番外側を油の層が覆っていて、涙が蒸発するのを抑えているわけですが、この油が何らかの要因で減ってしまうと、すぐに涙が蒸発してしまい、ドライアイの症状が悪化してしまうというわけです。
この油を分泌しているのが、上下のまぶたの裏側にあるマイボーム腺で、上下合わせて数十個あるそうです。ここが何らかの原因で詰まったりすると、油の分泌が滞り、涙が乾きやすくなってしまうのです。
マイボーム腺の詰まりに対するひとつの対処方法は、温罨法(おんあんぽう)です。
蒸しタオルなどを数分(10分程度)眼の周りに置いておくと、マイボーム腺から油が出てきてドライアイが改善することがあるのです。
すべての人に効くわけではないと思いますので、「ドライアイかな?」と思われましたら、眼科医に診てもらうことをお勧めします。
参考文献:
森麻子. (2001). マイボーム腺温熱治療. あたらしい眼科= Journal of the eye, 18(3), 317-320.
福井正樹, Fukui, M., & 坪田一男. (2012). ドライアイ. 耳鼻咽喉科・頭頸部外科, 84(10), 733-738.