ネガティブ・リザルト用のジャーナルがあれば・・・(1)
科学の世界にネガティブ・リザルト(negative result)というコトバがあります。たとえば、トマトに血液サラサラ効果があると期待されたとします。しかし、実際に実験をしてみたら、そのような効果は認められなかった。このような結果をネガティブ・リザルトといいます。
卒業研究などでがんばって実験に取り組んだものの、目標とした結果が得られなかったときなどに、卒論発表会などで審査員の先生から、「まあ、ネガティブ・リザルトだけど、卒業研究だし良しとしますか」みたいなコメントをもらったことのある人もいるのではないでしょうか。
しかし、私は、ネガティブ・リザルトという言い方が少し気になっています。
たとえば、あなたが19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍した物理学者だとします。そのときのホットなテーマはいかにして光を伝える媒質である「エーテル」の存在を実験によって実証するかでした。しかし、優秀な研究者がどんなに工夫して実験をしても、エーテルの存在を示すことができません。
つまり、この件に関して、実験結果はネガティブ・リザルトばかりだったのです。
つづく