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脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

迷信行動:続々

タイトルは今回の内容とはほとんど関係ないのですが、昨日のつづきということで。(タイトルを書いていてふと、「続々・三匹が斬る!」を思い出しました。)

 

昨日のエントリーでは、ヒトは近接した出来事の間に(勝手な)因果関係を見出してしまい、場合によっては事実誤認をしてしまうことを指摘しました。ここで改めて指摘されるまでもなく、当たり前のことといえば当たり前のことですね。

 

そのような誤認を防ぐためには、事象間の時間的な関連性(前後関係や発生の時間的な近接性)だけを見るのではなく、理論が必要となります。

 

たとえば、日銀の金融緩和政策は、金利の低下を通して実物投資(工場の建設や機械設備の購入など)や住宅投資(住宅の購入)をうながします。それらの額が増えることで、GDPにプラスの成長をもたらすわけです。

短くまとめると、「低金利は投資をうながす方向に働く」という理論になります。

 

これは、ほぼ間違いなく正しい言明ですが、偏微分的な概念であることに留意が必要です。

 

実物投資を決める要因は、金利の他、経営者たちの景況感などからも影響を受けます。

 

金利が低ければ実物投資をおこなう上で有利になるのですが、経営者が実物投資をしてもモノが売れず逆に経営を圧迫するかもと判断すれば、低金利でも投資に踏み切らないかもしれません。これが「低金利の投資増加効果が偏微分的な概念である」ということの意味です。

 

このように、実物投資ひとつをとっても、現実世界では様々な要因が影響をおよぼすので、ニュースだけを見ていると、イベント間の因果関係を誤認しかねません。低金利政策のニュースの後に、実物投資は伸びなやんでいる、という事実を知れば、「ああ、低金利は実物投資を伸ばす効果はないのだな」と“誤認”しかねないわけです。

偏微分的な観点からいえば、低金利は実物投資を伸ばす効果があるけれど、他の要因のせいでそれが減殺されてしまっているわけですね。なお、この件に関しては、ふつうに考えれば、(恒久的な消費抑制の影響を持つと考えられる)消費増税が脚を引っ張っていると考えるのが妥当だと思われます。

 

さらに・・・つづく・・・かもしれません。