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脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

メモ:ソロモン・シェレシェフスキー(Solomon Veniaminovich Shereshevskii)

シェレシェフスキーの能力について研究をおこなったのは神経科学者のルリヤである。シェレシェフスキーは、彼の名前の頭文字にちなんで、S(「エス」または「シー、シィー」(ロシア語でSはシーと発音する))と呼ばれていた。

 

シェレシェフスキーはモスクワの新聞社に勤めていたが、会議中に何もメモをとらないことが上司の目に留まり、その非凡な記憶力が知られることとなった。

 

シェレシェフスキーは、写真記憶(フォトグラフィック・メモリー)を持っていたと考えられ、文章、無意味な文字列、ランダムな数字の列などを的確に記憶し、何年経っても再生(想起)することができた。

 

数字の列などを覚えるときに役に立ったのが、共感覚の能力である。

覚えなければならない数字の列や文字列を色のついたパターンとして記憶することができたといわれている。

 

なお、シェレシェフスキーはきわめて多様な共感覚を持っていた。

音刺激が与えられると、視覚だけでなく、触覚や味覚の感覚も誘発された。

たとえば、2000ヘルツの音(聴覚)は、ピンクと赤が混じった花火のように見え(視覚)、ザラザラと不快な感じがし(触覚)、しょっぱいピクルスの味がした(味覚)、という。

 

このような共感覚の能力により、ひとつの情報を多面的にとらえることができたため、情報をより強固に記憶にとどめることができた可能性がある。

 

後年、シェレシェフスキーはプロの記憶術師になった。

 

 

参考文献:

R. ルリヤ『偉大な記憶力の物語』岩波書店