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脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

涙もろいのは前頭葉のおとろえが原因か?(1)

 

だいぶ以前のことですが、「年をとって涙もろくなるのは、感情をコントロールする前頭葉が衰えてくるため、涙がこらえられなくなるせいだ」という説をテレビで見ました。そのときは、「そういう研究結果が実際に存在するのだろうか?」と思いましたが、その後すっかりそのことは忘れて頭の片隅に放置されていました。

 

ふと、そのことを思い出し、それをどのように検証すべきかをちょっと考えてみました。

 

シンプルに考えれば、涙もろい人と涙もろくない人を集めて、涙もろい人が涙もろくない人に比べて、本当に前頭葉の機能が落ちているのかどうかを調べればよさそうです。

 

若い人と高齢者と2つの年齢グループを用意する実験プロトコルもありえると思いますが、ここでは年齢をマッチさせた参加者を2グループ用意する計画について考えることにしましょう。さしあたり年齢とは関係なく、前頭葉のおとろえのせいで感情のコントロールが効かなくなり涙もろくなるのだという説を検証しようというわけです。であれば単純に涙もろい人たちとそうでない人たちの2群の間で検証を行えばよさそうですね。

 

あとは、前頭葉の機能を測る課題が必要です。

Go/No-go課題やストループ課題はどうでしょうか。

 

Go/No-go課題は、パソコンを使って課題に取り組んでもらうとしたら、

「画面上に青い◯が現れたらボタンを押してください。赤い◯が現れたらボタンを押さないでください」というような課題が考えられます。

前頭葉が未発達だと、赤い◯に対してもボタン押しをしてしまいます。

ボタンを押すという衝動を正しく抑えられないわけですね。

 

ストループ課題も、上記のような葛藤を含む課題です。

さまざまな色で書かれた色名が出てきたときに、色名を答えるのではなく、文字の書かれている色を答える課題です。

 

 

と書かれていたら、「あお」と答えたくなるのを抑えて、「あか」と回答することが求められます。このときに前頭葉が働くのです。 

 

NIRSが使えるなら、同時に前頭部の血流変化を計測するとより多くのことがわかりそうです。涙もろい人は、上記課題の成績が悪いばかりでなく、前頭部の血流変化も小さい、などの結果が得られる可能性があるからです。

 

涙もろい人がこれらの課題の成績が悪く、血流も低いという結果が出たならば、涙もろさの原因を前頭葉の機能のおとろえと考える説の蓋然性が高まるといえるのかもしれません。

 

つづきます。