メモ:非常に優れた自伝的記憶の持ち主
メモシリーズ、今回は優れた自伝的記憶の持ち主についてです。
ジル・プライス(Jill Price)
8歳の頃から、どの日についても、何曜日か、自分は何をしていたか、どのような重要な出来事が起きたかを詳細に記憶できるようになった。
プライス本人が、カリフォルニア大学の記憶研究者であるJamese McGaugh(マッガウ、マゴ―、などと表記される)に、自分の能力について相談したことをきっかけにして、このような能力をもつ人が世の中に存在することがあきらかになった。
マッガウは、この能力を「非常に優れた自伝的記憶(highly superior autobiographical memory, HSAM)」と名付けた。
プライスは、写真記憶(フォトグラフィック・メモリー)はもたないが、ある特定の日に、自分の身に何が起きたかと、世の中で何が起きたかを正確に思い出すことができる。
プライスは、これらの出来事を努力して覚えようとしているわけではないらしい。ごく自然に記憶として定着するとのこと。
プライスの研究が端緒となって、これまでに数人のHSAM保持者が見つかっている。
なお、マッガウの研究論文の中では、匿名の「AJ」というニックネームで呼ばれていたが、その後、実名でメディアに出たことで、本名のジル・プライスという名前が世間に知れ渡った。
参考URL:
https://en.wikipedia.org/wiki/Jill_Price
参考文献:
ジル・プライス&バート・デービス「忘れられない脳 記憶の檻に閉じ込められた私」ランダムハウス講談社(2009年)
Parker, E. S., Cahill, L., & McGaugh, J. L. (2006). A case of unusual autobiographical remembering. Neurocase, 12(1), 35-49.