コーヒーの味わいはマグカップの色から影響を受ける
マグカップの色がコーヒーの味わいに影響を与えるらしいというweb上の記事を読み、原論文にあたってみました。
実験1
透明のガラスのマグカップ、青色のマグカップ、白いマグカップの3種類のマグカップに温かいコーヒー(カフェラテ)を入れて参加者に飲んでもらいます。(ちなみに英語ではmugcupとは言わずmugと言うようなので、以降、マグと表記します。)
18人の成人が実験に参加しました。参加者は135mlのfull-cream milkと65mlのcoffeeを混ぜた200mlの温かいカフェラテを飲みました。温度はなるべく同じになるようにそろえたそうです。6人ずつ、それぞれの色のマグカップに割り当てられました(参加者間実験デザイン)。実験者は実験仮説についてblindではありませんでしたが、実験の性質や狙いに関するヒントを与えないよう注意を払いました。参加者は、研究の目的はコーヒーの特徴を評価することにある、と伝えられました。参加者は10cmの線分を使って、苦さ、甘さ、アロマ、フレーバーの強さ、質(quality)、受容性についてVisual analogue scale(VAS)で評価を行いました。
結果1
コーヒーフレーバーの強さ(intensity)を評定させたところ、評定値の平均の大きさは白>青>透明の順で、白と透明の間には統計的な有意差がありました(p=0.026)。なお、カフェラテのその他の性質である、甘さ、アロマ、苦さ、質、受容性についてはそのような統計的な有意差は見られませんでした。
実験2
しかし、実験1には問題がありました。マグの大きさなどに違いがあったのです。そこで実験2では、同じガラスのマグに色のついたsleeveを被せて、色だけが異なるように工夫をしました。
結果2
これらのマグで温かいコーヒーを飲ませたところ、白いマグで飲んだ場合は、青や透明のマグで飲んだ場合に比べて、甘さが低いと判定されました。
というわけで、マグカップの色は、コーヒーの味わいに影響を与えるようです。
ふと、白いマグだとミルク感をより強く感じるのだろうか?あるいは逆なのか?という疑問が湧きました。
参考文献:
Van Doorn, G. H., Wuillemin, D., & Spence, C. (2014). Does the colour of the mug influence the taste of the coffee?. Flavour, 3(1), 10.
参考URL:
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52179577.html