共感覚を見分ける実験
ある感覚刺激が本来引き起こす感覚以外の感覚を引き起こす現象を「共感覚」といいます。数字を見ると、黒い文字で印刷されているのに色がついているように感じる、というような現象が共感覚の例です。
あるモダリティの感覚入力が他のモダリティの感覚を引き起こすこともあります。音を聴いたときに色も同時に感じるというような現象が共感覚の例です。
さて、共感覚ですが、共感覚者の主観報告・口頭報告に頼らずに科学的に調べるにはどのような方法が考えられるのでしょうか?
ラマチャンドランは以下のような方法を提唱しています。
上の図のように、白地に黒で数字を並べます。
この図の中には、2と5が含まれていますが、ふつうの人はどこに「2」があるのか、いくつ「2」があるのかをすぐには判別できません。
しかし、共感覚者には、数字に別々の色がついているように見えるので、下記のように、「5」の中に隠された「2」をすぐに発見することができます。
つまり数字の配置によって形成された隠された図形を発見する速さを調べることで、被験者が共感覚の持ち主かどうかを調べることができるのです。
参考文献:
Ramachandran, V. S., & Hubbard, E. M. (2001). Synaesthesia--a window into perception, thought and language. Journal of consciousness studies, 8(12), 3-34.