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脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

文芸作品を読むと他者の心を読む能力が(一時的に)高まる(1)

お笑い芸人コンビ「ピース」の又吉直樹氏の書いた小説「火花」が第153回芥川賞を受賞したというニュースが話題になっているようです。口さがない人たちは、又吉氏の本職にかこつけて批判や皮肉を述べられているようですが、報道によるとご本人は2000冊の小説を読破したとのことですから、普段小説を読まない(買っても積ん読するだけの)私から見れば基礎体力はかなり十分なのではないかと感じられます。このあたり、読書家の方々はどのように感じられるのか興味があるところです。

 

そもそも生まれながらの小説家はこの世にはいません。ある人は学生時代に小説を書いてデビューし、ある人はサラリーマンから、ある人は医者から、ある人は喫茶店のマスターから…、とさまざまな職種から転身するのですから、そのひとりがたまたまテレビに出ている芸能人だったというだけで、何か特別なことが起きたわけではないのではないかと私は思います。

 

 

ところで、文芸作品を読むと、他者の心を読む能力が高まるという研究が2年前にアメリカの科学雑誌サイエンス(Science)誌に発表されています。

 

Kidd, David Comer, and Emanuele Castano. "Reading literary fiction improves theory of mind." Science 342.6156 (2013): 377-380.

 

 

この研究では、成人参加者(18歳以上)が文芸作品を読むと、そうでない作品を読んだ場合に比べて、他者の心の状態を推定する能力を測る認知課題の成績が高まることが報告されています。

 

どのような実験が行われたかなど、続きは次回エントリーをお待ちください。