2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧
(つづきです。医師の口からでた、予想外の一言とは・・・) 医者「そういう感覚的なことは数量化できませんからね。」 ある種の科学者であれば、上記のような私の発言に対してそういうふうに考えることはありえるだろうという予想は事前に十分持っていたの…
もう今年も終わりですが、半年以上前のお話しを…。 5月か6月の頭だったと思うのですが、健康診断を受けました。 私が受診した施設では、健康診断の一連の流れが非常にシステム化されていました。 何人もの看護師さんやお医者さんが、受診者を検査から検査…
認知課題の紹介です。 【認知課題(24)】連続引き算課題(serial sevenとserial threeの2種類) 7を連続で引いていく課題 引き算を連続しておこなう課題。2分間つづく。 7を順番に引いていく。参加者は、なるべく速く答えをナンバーキーを使って打ち込…
今年も最終週ですね。 論文で見かけた認知課題の紹介を続けます。 【認知課題(21)】Inspection Time (IT) 課題: キューが500ミリ秒間提示された後、 右側or左側が欠けた刺激がごく短時間(10-200ms)提示され、 その後、マスク刺激が提示される。 参加者…
近年、歩行速度の遅さと認知症状によって特徴づけられる運動認知リスク症候群(motoric cognitive risk syndrome, MCR)が、認知症の専門家から大きな注目を集めています。 歩行速度が遅く、記憶力などの認知機能に不安のある人は、 認知症発症リスクが高く…
【認知課題(20)】くり返し数字ヴィジランス課題 Repeated digits vigilance task この視覚認知ヴィジランス課題は、不規則な間隔で現れるターゲットを検出する能力を測定する。参加者に対して、3つの連続した数字(例:473)が、1分間に100個の割合でスク…
【認知課題(19)】Categoric search Broadbent et al. (1986, 1989)による先述(※昨日のエントリーを参照ください)のFocused attention課題に似た課題である。 Focused attention taskでディストラクターが提示された2つの場所(2.04もしくは5.20度離れて…
認知課題の紹介、つづきです。 【認知課題(17)】焦点注意を測る課題(Focused attention課題) この選択反応時間課題はBroadbent et al. (1986, 1989)によって開発された。 ターゲットの文字は、大文字のAかBであり、スクリーンの中央に表示される。 参加…
昨日、更新が遅れて、日付ダブってしまいました。。 認知課題のご紹介、続きです。 【認知課題(16)】衝動性を抑える能力を測る課題(Impulsivity) ボタンを押したいという衝動性を抑えられる能力を測る課題です。 これも前頭葉の機能です。 Leark et al. …
認知課題の紹介です 【認知課題(14)】注意をフォーカスする能力を測る課題(Focus of attention) Eriksen and Eriksen 1974で開発された two-choice reaction time taskに基づく。 各試行の最初に、 モニターに500ms間、3つのwarning crossesが提示され、…
認知課題いろいろシリーズのつづきです。 名前が同じでも、詳細が異なる課題があります。 【認知課題(12)】Memory課題(immediate and delayed recall) 15個の単語が1個ずつ提示される。提示時間は1秒、ISIも1秒である。 単語は名詞、4〜7文字から構成…
ゲームの実験を生身の人間を参加者として最初に行った(と考えられる)のが、1950年頃ランド研究所に所属していたメリル・フラッドとメルヴィン・ドレッシャーの2人の研究者です。 彼らは、2人の参加者に対して、とあるゲームの利得表を提示して、実験を行…
アクセルロッドによる研究が契機となって、進化ゲーム理論の研究も盛んになりました。 進化論の用語でも、「Natural selection」は、以前は「自然淘汰」と翻訳されていましたが、今ではめっきり聞かなくなり、「自然選択」というよりニュートラルなコトバに…
くり返しゲームについても理論面、実験面からさまざまな研究が進んでいます。 1回限りの囚人のジレンマゲームでは、ナッシュ均衡を求めるという理論的な分析からは、お互いに「自白する」を選んで、パレート劣位な利得配分が実現するという結果になってしま…
これは、ultimatum gameについてだけに留まる話題ではありません。 囚人のジレンマはどうでしょうか? 先日、囚人のジレンマのゲームの利得表を紹介しましたが、それを再掲します。 ゲームの表側にある2つのコトバ(「黙秘する」と「自白する」)は、プレイ…
ゲーム理論で使われる訳語について、すこしお話ししたいと思います。 ultimatum gameは、「最終提案ゲーム」もしくは「最後通牒ゲーム」と呼ばれます。語義通りに訳すなら、後者の「最後通牒ゲーム」の方がより忠実な翻訳ということになるのでしょう。しかし…
もう少しだけつづけます。 ちなみにゲーム理論の入門的な講義で取り上げられる(同時手番の)ゲームは、誰かの戦略が誰かの戦略に制約をかけることはありません。たとえば、じゃんけんで片方が「グー」をとったら、もう片方は「パー」をとれない、などという…
一方、ゲーム理論では、互いの行動が互いの満足度(利得)に影響を与えるような状況を考えます。 具体例として「囚人のジレンマ」のようなゲームが考えられます。 プレイヤーの数が2人であるような囚人のジレンマゲームの利得表の例は下記のとおりです。 例…
ゲームの話を書いていたら思い出したので。 映画「ビューティフル・マインド(A Beautiful Mind)」は、N人非協力ゲームにおける解概念(solution concept)である「ナッシュ均衡(Nash Equilibrium)」の定式化とその存在定理を示すなど、ゲーム理論の初期…
つづきです。 【認知課題(10)】Paced Auditory Serial Addition Task (PASAT) これは、持続的注意を調べる課題です。 参加者は、連続して読み上げられる一桁の数字を足し算するよう求められます。 読み上げスピードは、4種類あり、2.4、2.0、1.6、1.2秒で…
つづきです 【認知課題(8)】選択反応時間(Choice reaction time) 参加者は「yes」「no」のボタンのついた装置を渡されます。 ‘no’ か ‘yes’という単語がモニターに提示され、参加者は一致するボタンをできるだけ速く押すように求められます。50試行あり…
つづきです 【認知課題(6)】単純反応時間(simple reaction time)計測課題 反応時間の速さを計測する課題です。 参加者は「yes」「no」のボタンのついた装置を渡されます。 課題では、“yes”という単語が提示されたら、可能なかぎり早く“yes”ボタンを押す…
認知能力の計測に使われているシンプルな課題を紹介していきます。 これらの認知課題が向上するかどうかは、もちろん、実験の設計などによります。 また、課題の回数は実験の目的に応じて変化します。 【認知課題3】単語提示課題(word presentation task)…
カフェインなど、食品や医薬品に含まれる化学物質には認知機能や気分を変化させる効果を持つものがあります。 そして、ヒトの認知を調べる研究の中には、それらの化学物質を摂取することなどを含む種々の「介入」により、どのような認知的な機能が向上するか…
私はコーヒーが好きなので、仕事や勉強の前にはコーヒーを飲むことが多いです。 カフェインは目を覚まし、集中力を高めてくれる・・・感じがするからです。 ひょっとしたら眠気がおさまり集中できれば、記憶も定着しやすくなるかもしれません。 実際のところ…
議論が少し散漫になってしまった感がありますので、結論をまとめますと、 ゲーム理論(や経済学)では・・・ 金銭報酬のみが利得ではありませんし、また選好は主体にとって千差万別です。 ゲームの実験において、実験者が参加者に対して「このゲームをプレイ…
(つづきです) しかし、実験を行う場合には、あらかじめゲームの参加者の内面(つまり選好)まではわかりませんから、実験者側からいわば押し付ける形でゲームを与えるしか仕方がありません。 本人の選好構造と異なるゲームを与えられたとしたら、プレイヤ…
つづきです。 たとえば、「最終提案ゲーム」では、もし金銭報酬“のみ”を利得と考えるプレイヤー同士が参加するのであれば、2段階ゲームを考えたときに、応答者は1円(1ドル)でも分け前をもらえる提案であれば受諾しますし、提案者は相手に1円(1ドル)だけ…
最終提案ゲーム(ultimatum game)を生身の人間に行わせると、提案者はあまりに不公平な提案はせず、応答者はあまりに不公平な提案がされると金銭報酬がもらえなくなるのを承知でそれを拒絶します。 この結果をもって「ゲーム理論の予測する合理的な利得最大…
ヒトは困っている他者に手をさしのべる「利他性」をもっています。 社会性の発達した一定年齢以上になると発揮される能力だとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。 実際のところ、この性質は何歳ごろからあるのでしょうか? WarnekenとTomaselloは、14…