歩く速さが遅くなった人は要注意
近年、歩行速度の遅さと認知症状によって特徴づけられる運動認知リスク症候群(motoric cognitive risk syndrome, MCR)が、認知症の専門家から大きな注目を集めています。
歩行速度が遅く、記憶力などの認知機能に不安のある人は、
認知症発症リスクが高くなるというのです。
米国をはじめ、ヨーロッパ諸国、中国、韓国、インド、そして日本も含む
17カ国の22のコホート研究から、60歳以上26802名のデータを用いて分析を行ったところ、
調査の開始時に運動認知リスク症候群と診断された人の割合はおよそ10%いました。
75歳以上の高齢者に多くみられ、同時に認知的な症状も抱えていました。
その後、運動認知リスク症候群を抱えている人は、そうでない人に比べて、
認知症を発症のリスクが90%も高まったそうです。
歩く速度が急に落ちた、それとともに認知機能の衰えを感じている
という方は、ぜひ専門の外来を受診してください。
認知症になる前の対処が肝要だと考えられています。
【参考文献】
Verghese, J., Annweiler, C., Ayers, E., Barzilai, N., Beauchet, O., Bennett, D. A., ... & Capistrant, B. (2014). Motoric cognitive risk syndrome Multicountry prevalence and dementia risk. Neurology, 83(8), 718-726.
【参考URL】
歩くスピードが遅くなると認知症のサイン
https://www.carenet.com/news/general/carenet/38794