脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

集中をいかに測るか

映像コンテンツやゲームなどにどのくらいのめり込んでいるのか、その集中度を測る場合、どのような方法が考えられるでしょうか?

 

ひとつの方法は、質問紙で集中度合いを直接訊いてみることです。たとえば、

 

「どのくらい集中出来ましたか?下記の7段階で評価してください。」

 

7.とても集中できた、6. 集中できた、5.やや集中できた、4.どちらでもない、3.あまり集中できなかった、2.集中できなかった、1.まったく集中できなかった

 

のように何段階かの尺度で質問をするという方法です。

 

この方法の利点は、データを容易に取得できるところにあります。

大人数の参加者からたくさんのデータを得る場合に向いています。

  

一方で、この方法から得られるデータは主観指標であるという問題点もあります。

「集中できた、できなかった」というのは、あくまでも回答者の主観であり、その人の判断に任されています。何か、別の客観的なデータから、参加者の「集中」度合いに迫ることはできないでしょうか?

 

そのひとつの方法が、瞬目、つまり、まばたきの頻度を調べるという方法です。

 

ひとは眠くなると、まばたきの回数が増えます。また、興奮しすぎてもまばたきの回数は増えます。つまり、まばたきの回数は平常時に少ないのです。

 

人は映像やゲームなどに没頭するとまばたきの回数が減ります。

 

典型的には、あるレベルで生じていたまばたきの頻度が、映像やゲームへの集中により下がり、映像やゲームをやめるとまた上がるという傾向が観察されます。

 

これにより、特定のコンテンツに対してひとが集中していたことがまばたきの頻度の変化という客観的に観察可能なイベントからわかるわけです。

 

主観指標や生理データに限らず、目的にかなった利用価値のあるデータを用いて分析を行うことが肝要です。