video game(ドライブシミュレーター)中の脳活動
video gameを行っている際、脳はどのように活動しているのでしょうか?
ドライブシミュレーションゲームをしているときの脳活動をfMRIで調べた研究があります。この研究によると、ゲームのプレイ中は、休憩中やゲームの映像を(プレイせずに)見ているときとくらべて、前頭前野の活動が低下していました。
ゲーム中のクルマのスピードとして、100〜140km/hの遅い条件と160-224km/hの速い条件とがありましたが、高速条件の方が前頭前野などの皮質活動が抑制されていることが明らかになりました。
スピードがより速い条件では、アタマを使ってプレイするというよりは、反射的に様々な操作をしなければならないため、熟考に関する皮質の活動が抑制されたのではないかと考えられています。
また、NIRS(近赤外線分光法)を用いて、ゲームプレイ中の脳活動を調べた研究もあります。シミュレーションゲームやリズムゲームを行っている際に前頭部の正中部の酸素化ヘモグロビンの集中度が低下することが示されています。
ゲーム中に前頭葉などの大脳皮質の活動が低下していることは何を意味しているのでしょうか?
ドライブゲームやリズムゲームなどの場合、反射的な行動に関連している皮質下の脳部位を使っていることを示しているのだと考えられそうです。
【参考文献】
Calhoun, V. D., Pekar, J. J., McGinty, V. B., Adali, T., Watson, T. D., & Pearlson, G. D. (2002). Different activation dynamics in multiple neural systems during simulated driving. Human brain mapping, 16(3), 158-167.
開 一夫,松田 剛:インタラクティブゲームにおける脳血流変化,株式会社キャラ 研スカラシップ研究発表 (2002).
財団法人イメージ情報科学研究所「ゲームソフトが人間に与える影響に関する調査報告書」(2003年)