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脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

道徳的判断:トロッコ問題と歩道橋問題

突然ですが、サンデル教授の「白熱教室」でも話題になったトロッコ問題(trolley problem)です。それぞれの文章を読んで、yesかnoか考えてみてください。

 

トロッコジレンマ:暴走したトロッコが線路上を走っており、このままでは5人の作業員を轢き殺してしまいます。彼らを助ける唯一の方法は、切り替えスイッチを押して、トロッコを別の線路に誘導することです。切り替え先の線路には1人の作業員がおり、この一人を犠牲にする代わりに5人の作業員は助かります。5人の命を救うために1人の命を犠牲にするこの行為はすべきでしょうか?

 

歩道橋のジレンマ:暴走したトロッコが線路上を走っており、このままでは5人の作業員を轢き殺してしまいます。線路上には歩道橋が架かっており、大きな男が立っています。歩道橋は、暴走するトロッコと作業員たちの間に立っており、5人の作業員の命を救う唯一の方法はこの大男を歩道橋から突き落としてトロッコを止めることです。5人の作業員が救われる代わりに、ひとりの大男は死んでしまいます。この行為をすべきでしょうか?

 

 

 

みなさんの意見は決まりましたか?

 

先行知見によると、トロッコのジレンマでは多くの人がyes(進路の切り替えにより1人の命を犠牲にすることは適切だ)と回答し、歩道橋のジレンマでは多くの人がno(5人を救うために1人の大男を歩道橋から突き落とすのは適切ではない)と回答するそうです。

 

5人の命を救うために1人の命を犠牲にするという点では両者には違いはないはずです。ではなぜこのような意見の違いが生じるのでしょうか?脳機能計測の立場からはどのようなことが言えるのでしょうか?

 

(明日へ続く)

 

参考文献(上記で紹介したジレンマの引用元)

Greene, J. D., Sommerville, R. B., Nystrom, L. E., Darley, J. M., & Cohen, J. D. (2001). An fMRI investigation of emotional engagement in moral judgment. Science, 293(5537), 2105-2108.