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脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

書字スリップ

ちょっとした実験をしてみたいと思います。

できれば先入観なく課題に取り組んでいただきたいので、なるべく先は読まないようにして、まずは、ペンと紙を用意してください。

 

準備ができたら、心の中でひらがなを1つ決めて(「あ」「お」「す」「ぬ」…などがオススメです)、紙の上にできるだけ速く、ひたすらくり返してその文字を書き続けてみてください。

 

あああああああああ

あああああああああ

あああああああ・・・

 

という感じです。

 

何文字目かで、変わったことは起きませんでしたか?

 

何も変わったことは起きなかったという方は、

上に挙げた、「あ」「お」「す」「ぬ」などの文字で試してみてください。

 

どうでしょう?

何か変わったことが起きたのではないでしょうか?

 

たとえば、下記のような具合に・・・

 

おおおおおおおおお

おおおおおおおおお

おおおすおおすおお…

 

 

 

 

これは、特定の文字をなるべく速くくり返し書いていると、別の文字になってしまうという現象で、「書字スリップ」と名前がついています。

 

ちなみに、同じ文字をできるだけ速く書かせる方法を「急速反復書字法(Rapid Repeated Writing, RRW)」と呼びます。

 

この現象は、1980年代に心理学者の仁平義明先生によって発見されました。

書字中には、複数の文字についての書字のための運動記憶が活性化される。このため当該の文字以外の運動記憶を抑制できないと、別の文字を書いてしまうことになるのです。

 

ところで、最近はパソコンを使う機会が多くなり、手書きで文字を書くことは以前より減った気がします。

 

デジタル・ネイティブ世代では書字スリップは起きにくくなっているのでしょうか?ちょっと気になるところです。

 

検証する場合、参加者は小学生が適しているかもしれません。

だとしたら、夏休みの自由研究のテーマとして面白いのではないかと、ふと思った次第です。

 

【参考文献】

仁平義明 1984 書字スリップの実験的誘導―書字運動プログラムのpre-activationの効果― 日本心理学会第48回大会発表論文集,278.

 

仁平 義明 2013 「急速反復書字によるスリップの発生メカニズム : ADHD傾向のアナログ研究」 白鴎大学教育学部論集 7(1), 127-141