人間の脳が培養されたそうです
気になるニュースが出ていましたね。
ほぼ完全な人間の脳、実験室で培養成功 米大学研究
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150820-00000010-jij_afp-sctch
報道によれば、オハイオ州立大学のRene Anandさんらの研究チームが、大人の皮膚細胞を万能細胞化したもの(iPS細胞?)を用いて、脳の培養をおこないました。大きさはpencil eraser(鉛筆の後ろについている小さな消しゴム)程度とのことです。
研究者らは、アルツハイマー病やパーキンソン病のクスリの効果を試験するのに使えるのではないかと考えているようです。
気になるのは倫理的な問題です。
脳はココロを生み出す臓器ですから、それに対して臨床的な試験を行う際には、倫理的な問題を避けて通ることはできません。
Anand氏は「この脳には感覚入力がまったくないので」倫理的な問題も存在しない、と述べたとのことです。
この点については、脳がどの時点から「意識」を生み出すのかはわかっていませんし、意識を持つようになった脳は、外部から感覚入力がなくても意識を持ち続けるわけですから、Anand氏の見解にはいろいろな反論も出てくるかもしれません。
また、この研究業績については、ガーディアン紙の取材を受けた多くの研究者は評価を下すのは難しいと考えているようです。今回の研究発表が論文誌への投稿によるものではなく、マスコミ発表だったためで、科学的なデータがキチンとした形で公表されるまでは、(評価については)慎重であるべきだというのがその理由です。