自閉症の子どもに最終提案ゲームをプレイしてもらうと・・・
自閉症患者に最終提案ゲームをプレイしてもらうとどうなるか。
昨日は大人のケースを紹介しました。
子どもの場合はどうでしょうか?
最終提案ゲームの最初のプレイの際には、大人の場合と同様に、子どもの自閉症患者も30%近くが相手に対して0単位の提案をしました。定型発達の子どもでそのような提案を選ぶのは5%以下ですから、やはり、相手に分け与えない提案をしてしまうのが自閉症の特徴だといえそうです。(図を参照してください。灰色の棒グラフが子どもの自閉症患者のデータ、白色の棒グラフが定型発達の子どものデータです)
一方で、5分5分の非常に公平な提案をする自閉症の子どもも30%以上います。
ちょっとおもしろいのは、定型発達の子どものデータです。
なんと55%以上が、5分5分の非常に公平な提案をするのです。
5分5分の提案をする通常の大人の割合は25%程度にとどまりました(※)から、人間は幼い子どもの方が公平な提案をする、言い換えると大人になるにつれて提案者であることの特権に気づき、それに基づいて行動をするようになってしまうのだ、といえなくもなさそうです。
(※)昨日のエントリーを参照ください
参考文献:
Hill, E., & Sally, D. F. (2003). Dilemmas and bargains: autism, theory-of-mind, cooperation and fairness. Theory-of-Mind, Cooperation and Fairness.