修行の効果:デフォルトモードネットワークの活動が低下する(5)
結果のつづきです。
RSのときに、安静時(Rest)に比べて活動が下がった領域が緑や青で示されています。(緑の方が活動の低下が大きいのです)
赤線で囲ったのがDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)の領域です。
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言語流暢性課題(Verbal fluency, VF)のときに、安静時(Rest)に比べて活動が高まった領域。(黄色の方が活動の増加が大きい)
なお、赤線で囲まれているのはDMNの領域であり、
VF条件では、RS条件にくらべて、DMNの活動の低下があまり起きていないことが見て取れます。
(VF条件では発話の中枢であるブローカ野が活動しています。
ブローカ(Broca)野の位置については、下記のグラフもご参照ください)
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RSのときに、Restより活動が下がった部位が緑や青色で示されています。
オレンジの線で囲われた領域は、VF条件で活動が高まった部位。
紫色の線で囲われた領域は、VF条件で活動が下がった部位。
VFでは、安静時(Rest)に比べて、発話に関するブローカ野(L-Broca)が活動したことが見てとれます。
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実験では、参加者の内観報告(一人称視点の報告)もとっています。
こちらを最後にご紹介します。
参考情報:実験参加者の感想
一人称視点の報告
RS(くり返し発話)について・・・
「簡単だったが、単調で退屈でした。」
「よかったです。それを唱えている間、「いち(number one)」を視覚化していました。焦点を当てることができました。」
「安静時に似て、ただ深く、そこには何の思念もありませんでした。」
「安静期間とくらべて、よりリラックスしてくつろいでいました。」
参考文献:
Berkovich‐Ohana, A., Wilf, M., Kahana, R., Arieli, A., & Malach, R. (2015). Repetitive speech elicits widespread deactivation in the human cortex: the “Mantra” effect?. Brain and Behavior.