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脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

涙もろいのは前頭葉のおとろえが原因か?(3)

 

涙もろさと前頭葉の関係について考察している論文を探してみました。

 

日本語では1993年の症例研究に、明示的な言及がありました。

 

脳梗塞で前頭葉の血流の低下がみとめられた76歳の男性患者さんが、怒りっぽくなったりする「感情失禁」の症状を来したそうです。脳全般の代謝を高める薬を処方したところ、右前頭葉の血流が改善し、妻の証言によれば、(患者の)涙もろさが減ったといいます。

前頭部の血流改善は、機能の改善につながり、感情のコントロールがうまくできるようになったということなのでしょう。

 

 

ちなみに、ここでいう感情失禁というのは、怒りや涙もろさなど、感情全般が抑えられなくなる症状のことを指します。

 

昨日のエントリーで、感情コントロール不全説が正しいなら、涙もろさだけでなく、怒りやイライラなど他の感情のコントロールも効かなくなるのではないか、というWEB上の意見を紹介しましたが、そのような症状も実際にあり、どうやらそれは「感情失禁」として、医学の世界では認知されているようです。

 

しかし、この感情失禁(情動失禁)というコトバですが、なんとなく言葉狩りに遭いそうな雰囲気を漂わせていますね。何年後かには感情抑制困難症などと呼ばれているかもしれないなと、ふと妄想しました。

 

 

山本光利, 浅沼幹人, & 小川紀雄. (1993). 塩酸ビフェメラン投与にて前頭葉の血流改善と感情失禁の改善を認めた脳梗塞の 1 例. 日本老年医学会雑誌, 30(1), 70-73.