涙もろいのは前頭葉のおとろえが原因か?(4)
涙もろさと前頭葉の関係について考えてきましたが、1番の問題は、涙もろさをどう測るかです。ダイレクトな「涙もろさ」尺度がないか検索したところ、「思いやり尺度」の中に涙もろさについての設問項目をみつけました。
質問内容には
「自分は涙もろいほうだとは思わない」(逆転項目)
「もらい泣きしやすいほうだ」
「苦労話を聞くと心を打たれる」
「映画やテレビドラマをみてよく泣く」
などの項目がありました。これらが利用できそうですね。
その他、「抑うつ尺度」から使えそうな項目を拝借するのもよさそうですが、うつ状態になって悲しさが増して涙が出やすくなるのと、ここで議論してきた「涙もろさ」が同じものなのか、という点については議論が必要そうです。
単純に、「感動的な話を見たり聞いたりしてじんと胸が打たれ、つい涙が出てしまう」という内容をもう少しquestionnaireらしく整えて、質問項目とするという方法もありかもしれません。さらには、感動的な話といっても、悲劇もあれば、ハッピーエンドもあると思うので、ポジネガ両方について聞いておくのも手続き上よさそうです。悲しい話に涙しやすい人とハッピーエンドに涙しやすい人とがいるかもしれませんので。
参考文献:
内田由紀子, & 北山忍. (2001). 思いやり尺度の作成と妥当性の検討. 心理学研究, 72(4), 275-282.