赤ちゃんは予想外の出来事を観察すると学習と探索を強化する
日々、膨大な量の情報が環境からもたらされますが、赤ちゃんは、どのような出来事が学ぶに足るものであり、どのような出来事を無視してよいかを判断するのでしょうか?
生後11ヵ月の乳児110名を対象にした実験で、予想を裏切るような意外性のある出来事が生じると、赤ちゃんたちはその事象をよく見て、その原因を自分なりに調べるかのような情報探索的な行動を増やすことが判明しました。
たとえば、ソリッドなモノ(おもちゃのクルマ)は、壁をすり抜けることはありません。
しかし、その予想を裏切るようなトリック映像を見せると、11ヵ月の乳児はその動画をまじまじと見つめます。
さらに、おもちゃのクルマを渡されると、それが固いものかどうか、壁をすり抜け得るかを調べるかのような探索行動をとります。
赤ちゃんは、日々の様々な出来事の中から、予想外の出来事を注目すべき事実と判断して自身の学習に活かしているようです。
参考文献:
Stahl, A. E., & Feigenson, L. (2015). Observing the unexpected enhances infants’ learning and exploration. Science, 348(6230), 91-94.
下記リンクのsupplementary materialsから、
実験で使用された動画を閲覧することができます。
http://www.sciencemag.org/content/348/6230/91.short