脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

記憶の定着のためには睡眠が重要

 

受験シーズンですね。

世の中には「寝る間を惜しんで」学業に打ち込んでいる(きた)学生さんも多いかもしれません。「1時間の睡眠を削れば、1時間分多く勉強ができる」そう思って勉強を頑張ってきた人も多いことでしょう。

 

しかし、睡眠不足は学習・記憶の大敵です。

学んだら寝なければ、記憶はきちんと定着しないのです。

 

睡眠と学習の関係を調べた研究は昔から数多くあります。

JenkinsとDallenbachが1924年に発表した研究は古典的な成果として現在も言及されることがあります。

 

彼らは2人の参加者を対象に記憶と睡眠の関係を調べました。

 

無意味つづりを覚えてもらった後に、睡眠をとる場合と、睡眠をとらずに起きていた場合とで、その後に正しく再生できたつづりの数を調べます。(2人とも、それぞれの条件に参加します。)

 

すると、睡眠条件では5〜6割くらいの単語を覚えていられたのに対し、睡眠をとらなかった条件では、どんどんと再生できる無意味つづりの数が減っていってしまいました。起きている間にいろいろな出来事に触れるので、学習内容に干渉してしまうのです。

 

学習したらきちんと睡眠をとって定着させることが肝要そうです。

 

 

参考文献:

Jenkins, J. G., & Dallenbach, K. M. (1924). Obliviscence during sleep and waking. The American Journal of Psychology, 605-612.