メモは、ノートPC(laptop PC)に打ち込むよりノートに手書きでとった方がよい
最近は、大学の講義などでもノートPCを持ち込んで、そこにメモをとる学生さんもチラホラいるようです。
しかし、メモは、ノートPCではなく、ノートに手書きでとった方が、理解力も上がるし、記憶に定着しやすいことが数多くの心理学研究から明らかにされています。
今回ご紹介する実験には67人の大学生(男性33名、女性33名、性別不詳1名)が参加しました。
(うち1名は教材を以前に見たことがあったため、またもう1名はデータ取得のエラーによって、分析から除外されました。最終的に65名のデータを分析しました)
実験では、15分より少し長い動画(TEDカンファレンスの動画)を5本見てもらい、ノートPCもしくは紙のノートでメモをとる場合で、内容の理解や記憶に違いがあるかどうかを調べました。
なお、ノートPCはインターネットから遮断しました。
動画を見終わったあとは、ディストラクター課題とワーキングメモリを必要とする課題に取り組んでもらい、講義終了後から30分の時間が空くように工夫しました。
その後、事実を想起する質問(例:「インダス文明は約何年前に存在しましたか?」など)と、概念的な応用問題(例:「日本とスウェーデンの間の平等についての取り組みにおける違いは何ですか?」など)が出題されました。
事実を問う問題では、ラップトップPCも手書きノートも成績に差はありませんでしたが、概念的な応用問題については、手書きノートを使用したグループの方が成績が高かったのです。
インターネットから遮断したので、ノートPCグループがネットサーフィンなど学習以外のことに時間を使ったために、学習がおろそかになってしまったというわけではなさそうです。
どうやら、物事をしっかりと理解するためには、ノートPCを使うのではなく、ノートを使って手書きでメモを取るほうが良いみたいです。
参考文献:
Mueller, P. A., & Oppenheimer, D. M. (2014). The Pen Is Mightier Than the Keyboard Advantages of Longhand Over Laptop Note Taking. Psychological science, 0956797614524581.
参考URL:
イロリオ:【学生必読】手書きでノートを取る方が記憶にも残り理解も深まる:米大調査
http://irorio.jp/sousuke/20140430/131471/