報酬系(10):買い物のときの脳活動(2)
Knutsonらは、MRIスキャナーの中で、参加者に買い物をしてもらい、その際の脳活動を計測する実験をおこないました。
消費者はあらかじめ調査参加費(1時間あたり20ドル)と買い物のための費用として別途20ドルを渡されます。
参加者は、実験中に呈示された商品が欲しければ、実際にお金を払って購入することになっています。つまり、真剣にリアルな購買の意思決定を行うわけです。
なお、fMRIの研究に限りませんが、一般に脳科学の実験では、脳活動をみるためにくり返し計測を行います。
購買の意思決定の実験をおこなうためには、参加者に数十回は購買行動をくり返してもらう必要があります。参加者は、複数の多くの商品について、ほしいかどうかとその商品の値段の高さをハカリにかけて、購入もしくは購入の見送りを決定します。
上に述べた実験のセッティングの都合上、たくさんの「購入」の決定を行いますが、実験終了後抽選を行い、そのうちのひとつが実際にお金を支払って購入をすることになる、ということをあらかじめ参加者に伝えておきます。これにより、消費者は真剣に購買の意思決定を行います。
(つづく)