メモ:共感覚の有名人(1)
メモシリーズ、今回は共感覚の可能性のある有名人のご紹介です。
リチャード・ファインマン(Richard P. Feynman)
1965年、量子電磁力学の業績により、朝永振一郎やジュリアン・シュウィンガーとともにノーベル物理学賞を受賞した。
自伝的エッセイ「ご冗談でしょう、ファインマンさん(Surely you are joking, Mr. Feynman)」は世界的なベストセラーになった。
別のエッセイ「困ります、ファインマンさん」の中で、次のようなことを書いていることから、共感覚を持っていた可能性が示唆されている。
「ベッセル関数の積分などというような、およそ奇っ怪な方法を教えようとしているときなど、(中略)その方程式を見ていると、どういうわけか僕には、一つ一つの字に色がついて見えてくるのだ。式を説明している僕の頭の中には、ヤーンケとエムデの教科書の中のその関数がぼんやり浮かんでいて、 J は薄いベージュ色、n はやや紫がかっており、濃褐色のχが飛び回っているのが見えるのだ。」(訳:大貫昌子)
ファインマンは非常に優れた記憶力を持っており、物理学の講義中も方程式や物理定数の導出に詰まることはなかったと言われている。
共感覚の能力が、ファインマンの記憶力や思考力を含む認知的な能力を支えていた可能性がある。
参考URL:
https://ja.wikipedia.org/wiki/リチャード・P・ファインマン
参考文献:
R・P・ファインマン、大貫昌子(訳)『困ります、ファインマンさん』岩波書店