脳 Brain, No Life(仮)

とあるニューロベンチャー企業の研究員のつぶやきを記録するブログ

その他科学

webページ上での視線の動き

脳波計測を含む、広い概念としてバイオメトリクス(生体計測)という言葉が使われることがありますが、視線計測も大きな武器のひとつです。 普段、我々は視線がどのような動きをしているのかについては自覚的ではありません。 たとえば、ヒトの顔を見てみて…

ストレス指標としての唾液アミラーゼ

現代社会にはさまざまなストレスがあふれています。 長時間労働やIT化にともなうテクノストレスなど、サラリーマンは多くのストレスを抱えています。低年齢化する受験競争のため、子どもたちにとってもストレスは日常的な問題になっています。 ストレスの簡…

運転中のストレスを測るには

クルマの運転を続けていると、疲労が溜まりますし、眠気も生じます。ストレスも溜まるでしょう。 運転中の眠気は、脳波のアルファ帯域パワーの大きさと関連があることは以前のエントリーで触れました。 ストレスや疲労と関係のある生理指標としては、唾液ア…

人間の脳が培養されたそうです

気になるニュースが出ていましたね。 ほぼ完全な人間の脳、実験室で培養成功 米大学研究 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150820-00000010-jij_afp-sctch 報道によれば、オハイオ州立大学のRene Anandさんらの研究チームが、大人の皮膚細胞を万能細胞化…

割引率は一定か?

割引率、割引因子を考えるときは、計算の都合上、一定の率で割り引くことが多くあります。1年後の利得を割り引くために割引率5%で1.05で割るなら、2年後の利得を割り引くには1.05の2乗で割り引くといった具合です。 離散的に割り引くのではなく、連続的に割…

朝四暮三を選んだサルは非合理的?:追記

前回のエントリーについて少々追記をしたいと思います。 追記1 「朝三暮四」については、別の角度から分析することも可能です。朝に多くもらっておけば行動の選択肢を広げることができます。朝に4つもらっておけば、3つでは足りなかったときに、もう1つ…

朝四暮三を選んだサルは非合理的?

朝三暮四の故事を現在割引の考えにもとづいて再考してみたいと思います。 春秋戦国時代の宋、サル好きの狙公が、家計が苦しくなってしまったため、飼っていたサルに食事の減量を相談した。「エサのドングリを朝に3つ、暮に4つではどうか?」と問うと、サル…

割引率、割引因子の考えをどう応用するか?

割引率はふつう、正の値をとります。 ヒトは遠い未来より現在を重視しやすい生き物なのです。 たとえば、体に悪いことは承知していても、暴飲暴食や喫煙をやめられないというヒトは多いのではないでしょうか? こんなに飲んでばかりいたら、将来は肝炎、肝硬…

未来の利得をどう割り引くか

みなさんは、未来の利得(たとえば金銭収入)をどのくらい重視するでしょうか? 抽象的な問いですが、これを数量的に表すためのひとつの方法があります。 割引率(あるいはそれと裏表の関係にある割引因子)を求めることで、その人がどれくらい未来の利得を…

なぜ血液型性格診断を信じてしまうのか?

血液型性格診断が科学的な妥当性を持たないことは、くり返し心理学者たちの研究によって明らかにされています。しかしながら、血液型性格診断を信じる人はまだまだたくさんいるようです。 なぜ、この科学の時代にあって、科学的な裏付けのない「迷信」が信じ…

座りすぎにご用心

健康に自信がないせいで健康ネタには目がない私ですが、本ブログで健康診断の話題の続きを書こうと思っていた矢先、体調に異変を感じ、つい昨日病院のお世話になりました。 診察台に横たわり腹部のエコー検査を受けたところ、お医者さんから「ほら、これあな…

ギリシャ国民投票の結果が出ました

ギリシャの国民投票ですが、事前の世論調査では支援受け入れのYESとNOが拮抗しているとの報道でしたが、いざ蓋を開けてみると、ギリシャ国民からは大差での「NO」が表明されました。 この結果を受けて、欧州各国では軒並み株式市場が大荒れの展開を見せてい…

睡眠軽視の現代社会

私の気のせいかもしれませんが、あまりに現代社会では睡眠が軽視されているように思います。 睡眠を削ってがんばると賞賛されることがあります。一方、昼寝をしているとサボっていると思われることがあるでしょう(あるいはサボっていると思われるのがいやで…

ギリシャの債務不履行問題に思う(2)

ギリシャの債務不履行問題は、当初のショックから数日経ち、少なくとも現在のところまでは日本の株式市場に与える影響は軽微なものにとどまっているようですね。 また、スティグリッツなどの経済学者が、ギリシャによる緊縮財政策受け入れは問題解決につなが…

視力低下を引き起こす要因(3)

視力関連エントリーの3回目です。 近視進行の根本的な原因として、網膜像がぼやけることで、眼軸長の延長が進行することが動物実験等を通してわかっています。 ヒヨコを対象とした実験では、目を半透明のレンズで覆い、網膜像をぼやかしてやると、眼軸長が…

ギリシャの債務不履行問題に思う

ギリシャが債務不履行の瀬戸際に立たされています。 EUのギリシャへの金融支援が6月30日に打ち切られる予定となり、国際通貨基金(IMF)など、ギリシャへの財政支援を行ってきた金融機関への債務の返済が不可能であると見られています。 すでにギリシャ国内で…

頭部移植手術は可能か?(1)

6月26日に、たいへん気になるニュースが配信されていました。 脊髄性筋萎縮症に苦しむロシア人男性が、自分の頭部を脳死したドナーの体と結合する手術を受ける決意をし、手術を担当する予定のイタリア人医師が手術費用を集めているという内容でした。100人の…

視力低下を引き起こす要因(2)

現代人の生活環境には、目を悪くする要因が多々あります。読書、テレビ、ゲーム、パソコン、タブレット、室内に引きこもること・・・。これだけ目を酷使していれば、目が悪くなって当然です。 しかし、日本ではほとんどの人が近視のせいか、眼に悪いさまざま…

視力低下を起こす要因(1)

昨年の春、メガネを買い直したのですが、実はその数カ月後にはすでに視力の低下を自覚していました。運動をしているときに、以前の度があっていなかったときと同じような見え方だったからです。 「ああ、眼軸が伸びてしまったか…」とそのときすでに後悔をし…

視力低下時に起きていること

つい先日、健康診断を受けてきました。 まだ正式な結果通知は届いていないのですが、その場でわかった視力検査の結果でショックを受けました。なんと、メガネをかけた状態の矯正視力にもかかわらず、左右の視力が0.3と0.4しかなかったのです。 実は新しいメ…